AZ-1

名前の由来(オートザム)

当時のマツダのディーラー名「オートザム(AutoZam)」を略した「AZ」に、車体の大きさを表している数値「1」を組み合わせた造語です。

 

最後のモデルが発表されたのは1994年ですが、現在でもその魅力は衰えておらず、多くは中古車市場で100万円前後の価格で取引されています。ほとんどの方はガルウイングドアを備えているその見た目に惹かれて興味を抱きますが、最大の特徴はクイックなハンドリングと普通車顔負けの力強い走りです。戦績を記録するオーナーが出てくるほどスポーツカーとしての走行性能は優秀です。これほどの個性をもった車種ですが、販売台数はわずか5,000台のため、その希少性もこのクルマの価値を増幅させています。「もっともっと、人とひとつになれるクルマを」というのはマツダのキャッチフレーズですが、本当の人馬一体を味わうことができる数少ないクルマ、それがこのAZ-1です。

  • マツダ オートザムAZ-1

    1994年5月(平成6年5月) 発売モデル

    マツダのミッドシップ軽スポーツ。定員は2名で660cc直列3気筒DOHCインタークーラーターボを乗員の後ろ、ミッドシップに搭載。軽量化を考えたオールプラスチック製のアウターパネルとなる。この車種最大の特徴は垂直に上がるガルウイングドア。マツダの自動車工房M2によってボンネットの上にフォグを組みこんだ限定モデル「M2 1015」。4灯ボンネットで、ボディカラーは白、黒、シルバーの3つ。
  • マツダ オートザムAZ-1

    1994年2月(平成6年2月) 発売モデル

    マツダのミッドシップ軽スポーツ。定員は2名で660cc直列3気筒DOHCインタークーラーターボを乗員の後ろ、ミッドシップに搭載。軽量化を考えたオールプラスチック製のアウターパネルとなる。この車種最大の特徴は垂直に上がるガルウイングドア。唯一無二といっても良いその姿は生産を終えた現在でも多くのドライバーを魅了している。
  • マツダ オートザムAZ-1

    1992年10月(平成4年10月) 発売モデル

    マツダのミッドシップ軽スポーツ。定員は2名で660cc直列3気筒DOHCインタークーラーターボを乗員の後ろ、ミッドシップに搭載。軽量化を考えたオールプラスチック製のアウターパネルとなる。この車種最大の特徴は垂直に上がるガルウイングドア。バケットシート装着のタイトなドライビングポジションに5速マニュアルのみの設定、マニュアルエアコンを装備していること以外、実用性に乏しいモデル。

基本情報

マツダの軽自動車部門「オートザム」が満を持して1992年に発売したのが「オートザム AZ-1」です。

 

全長 3,295mm
全幅 1,395mm
全高 1,150mm
ホイールベース 2,235mm
車両重量 720kg
エンジン F6A型 657cc 直3 DOHCターボ
最高出力 64PS/6,500rpm
最大トルク 8.7kgf・m/4,000rpm
変速機 5速MT
駆動方式 MR

AZ-1のトリビア

・車重の内訳は前300kg、後420kg。更に備品や各種オイル、燃料などを含めた総重量は830kg。車検証調べ。
それでも日本人の平均的な体重の人が乗る限り2人乗っても1t超えない。軽いは正義!

・燃料タンクの容量は30L。満タンから空になるまで最低でも500kmは走れる。

・特徴の一つのFRP製ボディパネル、触ってみると意外と硬く厚みもあり、ノックしてみると「コンコン」と音がする。
質感は普通車の外装と殆ど変わらない。
ちなみに当時のパンフレットによると「一般のスチールボディと同等の強度・耐久性を確保している」との事。

・カギが根元近くで両側から切れ込みがあるパターンをしていると折れやすい。
カーショップに行けば数百円で合鍵を複製してくれるので言ってみよう。その場で待たせずに作ってくれる。
また、マツダのディーラーにキーの部品番号「A082-58-493」と自分の車体番号を言えば
複製ではなくキーナンバー&マツダエンブレム入りの純正品を専用工場で作って貰える。備えあれば憂いなし。

・純正ステアリングの外径は35cm。オフセットは上方向に1cm(上18.5cm+下16.5cm)。実物調べ。 純正ステアリングボスはナルディタイプで、同タイプ対応の社外製ステアリングは恐らくそのまま付けられる。 ・ドライバーの目線とボンネット上端の延長線上に近い角度でボンネットが傾斜している。
そのため、それなりの長さがあるフロントだが搭乗員からはボンネット上端とワイパーしか見えない。
お陰で前方視界は下方まで良好だが、先端が見えない分、車両感覚に注意して運転する必要がある。

・ライトは完全な円形ではなく、若干横に平べったい楕円形。
これによりポップな雰囲気を醸し出す真円形より比較的シャープな印象になっている。
完全な丸型をしていないのは恐らくチーフデザイナーである大黒氏の功績と思われる。

・実はバーティカルドアの搭載も検討されたのだが、技術的に困難との理由でお流れになったらしい。

・またトヨタ・セラのような温度補償ダンパーも搭載したかったらしいが、こちらは予算の関係でお流れになったとか。
閉断面構造であるスケルトンモノコックフレームの重量は120kgだとか。
つまり車重の1/6がフレーム重量となる。この数値を重いと見るか軽いと見るかはあなた次第。

AZ-1のメリット

最高の軽スポーツカー

日常のドライブで運転の難しさを感じるシーンはほとんどありませんが、エンジンが車体後部にあるため雨天の場合、カーブの突入時にアクセルを踏み込んでしまうと後ろに加重し、前輪が浮きコントロールを失ってしまうことがあります。もちろん、ほとんどのクルマと同じようにしばらく乗っていれば気にならなくなるはずですが、その性能を最大限に引き出すためには非常に高度な運転技術が求められますが、他を圧倒する運動能力はオーナーやドライバーを虜にするはずです。加えてガルウィングドアを備えた個性的な見た目は周囲の視線を釘付けにし、オーナーの所有欲を満たしてくれます。街中を一度でもドライブすれば、この意味をすぐに実感できるはずです。

マツダ・AZ-1のメリット イメージ画像

視線を集めること間違い無しのルックス

運転に慣れるまで一定期間が必要

×

実用性が足りていない

マツダ・AZ-1のデメリット イメージ画像

ETC車載器等のオプションは不備

×

荷物はほとんど積載できません。

AZ-1のデメリット

実用性に乏しく維持が大変

カーナビ、スマートキーにETC車載器といった便利な最新オプションはもちろん、購入直後は乗り降りさえ不自由に感じるはずです。加えて車内空間は1009.9Lと大人2人が乗り込めば荷物を積み込むことさえままならない広さです。そのため一般的な軽自動車に備わっている実用性を求めることはできません。スポーツカーとしての特性を最大限引き出したクルマ本来の魅力を味わうための車種として理解した上でその価値を評価、判断する必要があります。