車検に通るデイライトの条件/新保安基準(2016年10月改正)対応

2020/03/03 ブログ

デイライトとは文字通り、日中に点灯させるライトのことです。昼間にライトを点灯させることで周りのクルマや歩行者から認識されやすく、事故防止や安全運転にもつながります。

 

本題に入りますが、車検に通るデイライトの条件は、保安基準の改正(2016年10月)で新設されたルールです。外装の光モノとしては比較的に一般ウケしていて親しまれているデイライトですが、車検のルールは思いのほかシビアなものになっています。

 

この記事では、デイライトの保安基準について解説していこうと思います。

 

2016年10月の保安基準の改正で「デイライト」専用ルールができた

 

 

2016年10月の保安基準の改正で、明確にデイライトに関する決まりが作られました。このデイライトですが日本語では昼間走行灯といいます。

以前から、バンパー開口部にLEDを付けてデイライトにするカスタマイズが存在していましたが、これはその他灯火類という枠組みでした。このその他灯火類の場合には300カンデラ以下というルールがありますので、日本のデイライトに関しては総じて暗いものしか作れなかったのです。

ですが、新設されたデイライトの保安基準では明るさは400カンデラ以上から1440カンデラ以下となりました。

※日本のデイライトの法規は欧州のルールに沿ったものとなっていますが、日本の保安基準では1440カンデラ以下。欧州のデイライト規格の最新版では最大1200カンデラに改正されています

 

今までのその他の灯火類の明るさでは「昼間はちょっと暗いかな・・」というのがありましたが、新基準では1440カンデラとなり、ぱっと見にはフォグランプに近い明るさに感じられるレベルにとなりました。

しかしそれはデイライトとしての要件を満たせばということになります。その条件をみていきましょう。

 

----------デイライトの色は白のみ

 

これまでのその他灯火類扱いだったデイライトは白または青が人気の色でしたが、新基準によりデイライトとして認められるのは白のみになります。

※[その他灯火類]の色の規定は赤が全面的にNGであり、リアについてはアンバー(橙)や白も禁じられていますがそれ以外の色ならOKでした

 

白以外は全てNGということで、白色範囲に入っていないといけません。白色範囲とは何ケルビンなのか・・

ケルビン数では厳密な白色範囲は定義できませんが、目安でいうと白色範囲の下限は電球色なので3000ケルビン程度、上限では7000ケルビンを超えないあたり(6000ケルビン)といえそうです。

ケルビン数が上がるほど青白っぽくなり、検査員によっては「白ではなく青だ」と判定される可能性もあります。このあたりは、ヘッドライトやフォグランプと同じ問題点となりそうです。

 

 

 

----------夜間は消灯(または減光)しないといけない

 

新設された新基準では、昼間の明るさの範囲が大幅にアップしましたが夜は消灯(または減光)させなくてはいけません。※フォグランプ点灯時も同様

 

カンデラが上がっているので、そのままだと夜間では眩しすぎるためです。加えて、点滅しているようなデイライトも認められません。

 

 

 

----------デイライトの高さと左右位置に関するルール

 

高さはランプの下縁が地上から250mm以上、上縁が1500mm以下であり、ヘッドライト上端より下側になくてはなりません。

次に横方向ですが、幅が1300mm以上のクルマの場合は左右のデイライトの間隔を600mm以上開けなくてはなりません。※幅が1300mm未満の場合は400mm以上

 

つまり、あまり真ん中に寄せて取り付けるのはNGとなっています。ちょうど付けられそうな位置に付ける、というわけにもいかないのです。

 

 

 

----------ランプ形状は自由だが面積は決められている

 

デイライトの照明部の大きさは25㎠以上200㎠以下であると規定されています。これは合計面積であり、複数並べて取り付ける場合には合計の面積が問われます。

その範囲内であれば、形状は特に規定されていません。

 

 

 

----------単純に基準を満たすだけではダメ

 

・明るさ

・色

・取り付け位置

・ランプの大きさ(面積)

 

といった重要な条件と共に他の交通を妨げないといった条件もついてきます。

しかし問題はこれだけではなく、今回の法改正が「社外品のデイライトにとって追い風になるような話ではない」といった事情もでてきています。

 

<協定規則 第87号>の重圧

 

 

保安基準の改正でデイライトの新ルールができ「爆光デイライト解禁か?!」との声もありましたが、話はそう単純ではないようです。

もともと欧州発祥のデイライト、車検に通るデイライトの条件と欧州の規格・Eマークは無縁ではないようです。

 

----------重くのしかかる<協定規則 第87号>

 

2016年10月のデイライトの保安基準改正に関しては、ベースが欧州の規格となっています。※欧州ではデイライトが義務となっている

欧州のDRL(デイタイム・ランニング・ランプ)規格がもともと存在するなかで、そこに日本も加わったという流れになっています。

 

以前のその他灯火類では明るさは300カンデラ以内との規定があったので、ベンツやBMW、アウディなどの欧州車は日本仕様ですとコーティングでデイライトの明るさを下げなくてはなりませんでした。しかし、法改正によって、日本国内でも欧州仕様のデイライトでそのまま走行が可能となりました。

ですので、自動車メーカーにとってはとてもいい話ですが、アフターパーツ市場にとってはそうもいかない事情もあるのです。

 

デイライトを作る上での技術的な要件は<協定規則 第87号>にのっとることになっています。この規則とは、欧州でのデイライトに関する規則を日本の保安基準上で表した言葉になります。87号というのは、欧州の規格であるEマークのR87と共通しているのです。

要するに保安基準上の協定規則は欧州ルールのことで、Eマークを取得するための条件と同じだということです。

保安基準は日本のルールですが、デイライトに関しては欧州ルールに準拠してください、というややこしい状況となっているのです。

ですので、車検を通す際にはデイライトに関してはEマークがついたものが望ましいのです。

 

 

 

----------Eマークのないデイライトの扱いは?

 

保安基準上では「協定規則 第87号に基づいて認定された昼間走行灯については、型式指定を受けた装置(つまり純正)とみなす」とあります。つまり、Eマークを取得したデイライトなら(純正でなくとも)デイライトとして認めますよ、という意味になります。

Eマークを取得していない社外品のデイライトの場合には【Eマークを取得したランプ(純正)と同等の性能を有していること】が条件となります。同等の性能とは、前記した明るさや面積だけでなく、配光パターンなども含めて実に細かなルールが定められています。

純正部品はすべてEマークを取得しているので、純正デイライトは完全にその基準を満たしています。そして、社外品の場合にはその純正と同等の性能を有していることを証明しなくてはなりません。

メーカーがEマークを取得しておいてくれれば、それがその証明となります。

 

 

 

----------Eマークを取得した製品なら安心ですが

 

デイライトとしてEマークを取得した製品なら、取り付け位置などに注意すれば車検は全く問題ないことになりますが・・

技術的にEマークが取得できるメーカーでも、実際に取得するとなると莫大なコストがかかります。現状の後付けデイライト市場に対して、そこまで対応するメーカーがどれだけでてくるのかという話になります。

 

今回の保安基準の改正は、どちらかというと自動車メーカーのデザインの自由度を高めるための変更という風に捉えられるかもしれません。

 

新基準を満たせないなら

 

その他灯火類扱いだったデイライトに専用ルールができたが、かなり厳しい新基準を満たさないものはデイライトと認められなくなっています。では、今まで取り付けていた社外品や自作のデイライトは車検に通るのでしょうか・・

 

 

----------[その他灯火類]デイライトに

    新基準は関係ない

 

これまでは後付けデイライトにとってかなり厳しい話になりました・・ですが、だからといって今まで車検に通っていた後付けデイライトが今後は通らなくなるという話ではありません。

 

今までと同じく[その他灯火類]としてのデイライトならルールは今までと同じになります。

デイライトの規定ができましたが[その他灯火類]のルールも継続されるのです。

要するに、新しくできたデイライトのルールだと最大1440カンデラまで明るくしていいのですが、そのためにはデイライトとしての新基準を満たさないとダメだということです。

逆に言えば、要件を満たせないデイライトなら従来通りの300カンデラを守り[その他灯火類]としてやればいいのです。

 

 

 

----------[その他灯火類]なら色も選べる

 

ここで改めて[その他灯火類]のデイライトについておさらいしておきましょう。

まず、色は赤はNGとなります。なお、デイライトはフロントに取り付けますが[その他灯火類]のルールですとリア側はアンバー(橙)や白もNGとなります。※赤やアンバーはブレーキランプやウインカーと見間違える可能性があるため

アンバーに関してはリア側の地上から2.5m以下の高さに使うのはNGとなっています

 

デイライトはフロント側になりますのでアンバー(橙)でもOKになるわけですが・・やはり、重要なウインカーと誤認する危険のある取り付け方は避けた方が無難ですね。

そんなわけで、デイライトというと白や青が人気ですが緑でもピンクでもいいということになります。

ただし、ピンクなどの場合には検査員が赤だと判断する可能性もありますので注意が必要です。