外出自粛要請のなかクルマでの移動はどうなのか
2020年4月7日の夕方、新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言が出されました。発効は8日午前0時からで、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都府県を対象とした宣言となります。期間はGW明けまでの約1ヶ月程度とのことです。
長期間の外出自粛要請が続いていますが、クルマを使って外出するのは問題ないのでしょうか・・
今回の緊急事態宣言について、公共交通機関への措置については発効後も(2020年4月7日時点では)変更なしとされています。
国土交通省は、公共交通機関による感染拡大防止のために駅や電車内などでの放送を通じて在宅勤務や時差通勤を呼び掛けるほか、鉄道やバス車両での換気の励行、運転手のマスク着用などにより一層の対策徹底を図ることにしています。また、高速道路などの封鎖も行われることはありません。
不特定多数の人と濃厚接触の可能性がある公共交通機関での移動に比べると、クルマ(自家用車)での移動はリスクが低いと考えられます。
※自身が感染するリスクは低いと言えますが、緊急事態宣言が出た都府県のナンバーで県外に出ると、地元の方々の不安を煽ってしまう可能性もありますので一定の配慮が必要になってくるかと思います
政府は緊急事態宣言後も、買い物や病院への通院など必要な外出は認めることや健康維持のための散歩や必要な出勤は禁止されない事、そしてスーパーやコンビニ、薬局などの営業も継続されることを明言しています。
そのうえで、クルマを使って外出する場合の注意すべきポイントはどのようなことなのでしょうか。クルマを使った移動について専門家に聞いてみました。
-----クルマ(自家用車)での移動は問題ないでしょうか
ご自身一人で、または普段生活を共にしているご家族と家で所有するクルマに乗っている状態であれば家の中にいるのとほぼ同じ環境にあると思われます。
その状態での移動は問題はありませんが、クルマから降りればそれは家から出たことと同じです。【三密】を避けてマスクを着用し、他人との距離(ソーシャルディスタンス)を約2m程度に保ちましょう。
※三密とは:「密閉空間」「密集場所」「密接場面」の3つの密のことで、厚生労働省や感染が拡大している各都道府県の知事などが感染拡大を防止するためにこれらを避けるように呼び掛けている行動です
-----買い物などに行く際の注意点とは
目的地に到着し用事を済ませ、クルマに戻ってくる時がポイントです。クルマに乗り込む前に手指をしっかりと消毒しましょう。特に、不特定多数の人が触れるところに触った後は念入りに行って下さい。
必要なものを買うために訪れた店舗や休憩施設の出入り口、トイレなどにある消毒用のスプレーを十分に使って清潔に保ってください。
緊急事態宣言が出された場合でも、少人数で近所を散歩したり、外に出て軽い運動をしたりなどの健康維持やストレス軽減のための外出なら問題ないとされています。※その場合でも1日1回が望ましいとされています
国の専門家会議においても、3月19日に出した提言で「(三密を避けた)外出機会を確保することは日々の健康を維持するために重要で、一人での散歩や限られた人数での散歩などは感染リスクが低い」と発表しています。
家の中に閉じこもってばかりでは、特に元気なお子さんがいるご家庭などではママも子どももストレスが溜まってしまいそうですよね。
感染する、感染させるリスクをぐっと低くして、安全に楽しく気分転換できる方法はないものでしょうか?
医師の方に気分転換のドライブについて聞いてみました。
「家の中にばかりいると、普段は仲のいい家族でもお互いに色々なストレスを感じるようになる可能性があります。外遊びが大好きなお子さんを家に閉じ込めておくのもかなり大変なことでしょう。
人の少ない場所での散歩や軽い運動はむしろ行った方がいいと考えます。家の駐車場から少人数の家族で出かけて、窓を開けて春の風を十分に入れながらドライブを楽しんだり景色を楽しんだりすることはストレスの解消にもなりますし、健康維持の観点からもおススメです。
ドライブだけでクルマから降りない、または降りる場合でも他人がほとんどいないような場所ならリスクはかなり低いと言えます。
ただし当然ですが、家族だけでのドライブでも体調が悪い家族がいる場合には普段の通院など必要な場合を除いて、同じクルマに乗ることは避けましょう。」
-----ドライブスルーの活用もおススメです
感染のリスクを避ける手段として、クルマから降りずに車内で食事ができたり、家に持ち帰って食べたりできるドライブスルー方式のお店は心強い存在となるでしょう。
ドライブスルーの店舗と言えばマクドナルドやモスバーガーなどのファストフード店を思い浮かべる方が多いと思いますが、それ以外にも多くのお店があるんです。
スターバックスコーヒーの郊外型店舗にはドライブスルーで購入できるお店がありますし、回転ずしやちゃんぽん、カレー、牛丼など郊外を中心にドライブスルー店舗が増加傾向にあります。
なかにはスマホで注文、決済までできるお店も増えており、さらに感染リスクが低くなりそうです。
最近ではドライブインシネマなるイベントなども開催されていますね。広い駐車場に大型のスクリーンを設置し、それぞれの車内から映画を鑑賞できるというものです。音声も車内ラジオの周波数を合わせて受信できるので快適そうです! このように、感染リスクを減らしながらストレスを軽減できるようなイベントなども少しづつ全国で開催されているようですので、リサーチしてぜひ活用してみてください! |
ドライブスルーで購入したものを車内で食べる際には手指をしっかりと消毒しましょう。アルコールスプレー(アルコール濃度70%~80%)や消毒できるウエットティッシュを備えておくことが重要です。
細かいことですが、クルマの中は湿度が低いのでアルコールウェットティッシュを車内で常備する場合にはジップロックなど密閉できる袋に入れて保管するのがおススメです。水分が少ない、または乾いてしまうと消毒効果がなくなってしまいます。
なお、短距離・短時間の乗車であってもチャイルドシートや後席シートベルト(もちろん前席もです)は必ず着用してください。感染のリスクはもちろん、事故の際のリスクを排除しておくことも重要です。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、警視庁は従来とは異なる方法で交通安全運動を行いました。
北区・王子では3日”春の全国交通安全運動”を前にパトカーや白バイなど14台が参加して事故防止を呼びかけました。
これまでは横断幕を持って歩くなどして呼びかけていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大をうけ人の密集を避けるため車両での集団パトロールを行ったということです。
外出自粛のなか交通量は減ってはいるものの、一方で普段より速い速度で走るクルマが増えているということで警視庁が注意を呼び掛けています。