高齢者の運転問題と運転免許返納について

2021/05/27 ブログ

 

警視庁がまとめた運転免許統計によると、2019年に運転免許を返納したのは前年比42.7%増の60万1022件となり、制度開始以来の過去最多の数となりました。

 

2019年4月に池袋で発生した、高齢ドライバーの乗用車が暴走し12人が死傷した事故や、ニュースで数多く発生している踏み間違い事故、逆走事故などを見て、自主的または家族に説得されて返納したという人が増えたとみられます。

 

免許を保有していればいつかは向き合わなくてはならない免許返納問題、決して他人事ではありません。

 

返納するにはどうしたらいいのか?返納後の暮らしのためにどのような支援施策が必要となるのか?生活にクルマが欠かせない地域ではどうするべきなのか?

 

今回のブログでは、免許の返納などについてご紹介していきます。

 

2019年は過去最高の自主返納件数

 

 

数年前から運転免許の自主返納(申請による運転免許の取り消し)が話題になっています。
自主返納制度が導入されたのは1998年のことで、この年の返納件数は2596件でした。

 

2002年には運転経歴証明書を導入し、2012年にはこの証明書が本人確認の書類として使用可能になり、そのことで従来以上に自主返納がしやすくなったのです。

 

このあとも高齢ドライバーに対する呼びかけは積極的に行われ、自主返納の件数は2016年には34万5313件、2017年には42万3800件と増えています。

2019年には60万1022件に達しました。

 

運転免許を自主返納した人のうち、70歳以上が89%を占めています。70歳に達しているドライバーの人数は1195万3118人ですので、2019年の60万1022件は、70歳に達したドライバーの約5%に相当する数です。
1年間の間にこれだけのドライバーが運転免許を返納したのですから、すごい勢いといえますね。


ちなみに、昨年2020年の自主返納件数は55万2381件で、2019年より4万8641件も減少しています。
これはコロナウイルス拡大が要因になっているものではないかと思われます。
重症化しやすいといわれている高齢者が外出しづらくなっていることが関係しているのでしょう。

 

現代とは異なったクルマの価値観を持つ

 

 

日本の人口の年齢構成をみてみると、第二次世界大戦の1947~1950年頃に生まれた団塊の世代が多くなっています。この世代の人達は1967~1970年頃に20歳になりました。

 

1967~1970年頃は日本の高度経済成長期にあたり、クルマの世界ではカッコ良くて高性能なスポーツモデルが続々と登場しています。
510型 3代目日産ブルーバード、初代マツダ コスモスポーツ、3代目日産スカイライン、初代日産フェアレディZ、初代トヨタ セリカ、三菱 ギャランGTOなどがありました。

 

当時のクルマは高額商品で、1966年に49万5000円で発売された初代トヨタ カローラは、大卒初任給ベースで今の貨幣価値に換算すると417万円にも達します。今の感覚でいえば、トヨタ アルファードなどと同等だったわけですが、それでも1960年代前半までに比べるとクルマが身近な印象になりました。

 

なぜなら、1962年に105万円で販売された2代目トヨタ クラウンDXは、今の価値に換算すると1239万円にも達したのです。1960年代は給与と一般の物価が高まる一方で、クルマの価格はフルモデルチェンジしても据え置きか、あるいは安くなる車種もありました。1960年と1969年ではクルマの価値観がまったく違ったのです。

 

団塊の世代は、まさにこの時代に大人になったのです。1948年に生まれた子どもが10歳になった1958年に、東京タワーが完成してスバル360も登場しています。発売時点でスバル360の価格は42万5000円でしたが、今の価値に換算すると638万円です。スバル360は、誰でもクルマを所有できるように開発されましたが、実際にそうなるのは1960年代に入ってからとなります。

 

ところが、1948年生まれの子どもが17歳になった1965年には、日本は高度経済成長期に突入します。翌年には前述の初代カローラと初代日産サニーが発売され、頑張ればクルマを買えるという実感が持てるようになりました。

 

団塊世代の人たちは1970年頃に就職して、そこからはオイルショックなど厳しい時代に入りましたが、1980年代になって働き盛りの30代をむかえると、景気が再びよくなっていきます。40歳前後はバブル経済絶頂期です。頑張って働いて、初代日産シーマ、初代トヨタ セルシオなどを購入しました。

 

免許返納後の生活を考える

 

 

団塊世代の人たちが日本のクルマを盛り上げ、日本の自動車メーカーを世界有数の優良企業に育て上げたのです。同時に若いクルマ好きの道しるべにもなりました。その人たちが今、運転免許を自主返納しようとしているのです。

 

それを止めるのは無責任というものです。高齢になって交通事故の加害者になれば、当然に被害者が傷つき、ドライバー本人もツライ立場に立たされます。自主返納は賢明な判断なのです。

 

運転免許の返納は、警察署や運転免許センターなどで行えます。前述の運転経歴証明書が発行され、本人確認のための書類として使えます。

 

しかし、運転免許を返納する気持ちに甘えるだけではいけません。若い時には自宅に通じる坂道を徒歩で上っても苦にはならなかったかもしれませんが、高齢になり、本当にクルマが必要になったその時に「そろそろ運転免許の返納を・・」などと言うのではどう考えても矛盾しています。

 

高齢になって運転免許を返納してもらったなら、それに代わる移動手段を確保しなければなりません。日常的な買い物や通院など、不便を感じずに行えるための支援が必要不可欠なのです。

 

本人が健康で、公共の交通機関が整った地域に住んでいるなら、運転免許を返納してもシルバーパスなどを使って自由に移動することができますが、日本には公共交通機関が未発達な地域も多いのです。運転免許を返納したくても、それができず、自分の運転技量に不安を感じながらもクルマを運転している高齢者はとても多いのです。そこの支援をせずに免許の返納を求めるのは無責任な話です。

 

運転免許の返納を促すなら、公共交通機関の充実が求められます。バスなどの本数を増やすだけでなく、走行ルートの見直しも必要です。坂道を上り下りする必要がなく、なおかつ安全を確保できる場所まで公共交通機関を通さないと、クルマを使っているのと同様の利便性は得られません。

 

高齢者のための運転トレーニングや対策

 

 

クルマを運転しなくてはならない生活であるならば「いつまでも安全に運転を続けられる配慮」も必要になってきます。高齢になる前から、定期的に運転のトレーニングをして、運転技量を落とさないように工夫しましょう。

 

AT車は、変速操作をクルマが行うことでドライバーの負担を減らし、安全性を高める効果がありますが、同時に危険性も併せ持っています。
Dレンジに入れてアクセルペダルを深く踏めば、急発進事故を起こしてしまいます。
そこで衝突被害軽減ブレーキなどを含めて「ドライバーを交通事故の加害者にさせないクルマ造り」が大切になります。

 

AT車ではない、ドライバーが変速操作を行うマニュアルトランスミッション車は、デリケートにクラッチ操作をしないと急発進もできません。構造上、運転ミスを発生させにくい造りになっているのです。

 

マツダなどによると、変速操作を行うことが老化の防止になる可能性も高いといいます。中高年齢に達したら、クルマの運転を長く楽しみ、その利便性を失わないためにもマニュアルトランスミッション車に乗るのもいいアイデアかもしれません。このメリットを理論的に確立させて、事故防止の観点からMT車の推奨につなげる対策もあります。

 

最も大切なのは安全の確保ですから、自主返納をするかしないかの判断は尊重すべきですが、それによって高齢者に悲しい、ツライ思いをさせてはなりません。そして、誰でも高齢になるのですから、他人事ではなく自分のこととして考えたいですね。

 

 

 

 

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