アイドリングストップ搭載車のメリットとデメリット 非搭載車が増えてきている?
信号待ちなどでクルマを一時停止させた際に、自動的にエンジンがストップする機能をアイドリングストップと呼びます。燃費に優れ、環境にもよいとされているため、アイドリングストップ搭載車を選ぶユーザーも少なくないかと思います。
今回のブログでは、アイドリングストップのメリットやデメリット、エンジンやバッテリーへの影響などを解説していきます。
また、近年アイドリングストップ非搭載車が増えている背景や今後の見通しもあわせてご紹介していきます。
アイドリングストップとは
アイドリングストップは、ブレーキを踏んでクルマを完全に停止させた際、エンジンが自動的にストップする機能です。
駐停車時にエンジンを停止させること自体もアイドリングストップといいますが、本ブログではクルマが信号などで停車した際にエンジンを一時的にストップさせる機能を、アイドリングストップとして解説していきます。
アイドリングストップでエンジンを停止したクルマは、ブレーキを緩める、ハンドルを操作するなどの動作で自動的にエンジンが再始動します。
アイドリングストップの作動条件は、メーカーや車種によって様々ではありますが、作動条件の一例としては以下のようなものがあります。
・ブレーキが踏み込まれていて完全停止している
・ハンドルを操作していない
・アクセルペダルがオフ
・平坦な路面での停車
このような作動条件をすべて満たした時に、アイドリングストップが作動します。
作動条件はメーカーや車種によって様々で、なかには「バッテリー状態が良好である」「エンジンが暖機されている」などが作動条件に含まれているクルマもあります。そのため、エンジン始動直後に停止させてもアイドリングストップが作動しないこともあります。
アイドリングストップのメリット
アイドリングストップには様々なメリットがあります。ここでは3つのメリットをご紹介します。
1.燃費がよくなる
アイドリングストップの1番のメリットは、燃費がよくなり燃料費の節約につながる点です。停車時にエンジンが自動でストップしている間は燃料を消費しません。
環境省のデータによると「1日5分のアイドリングストップを行うことで、年間約1,900円の節約が可能」とされています。さらに約39kgの二酸化炭素(CO2)の削減も報告されています。
2.排出ガスを抑えられる
アイドリングストップでエンジンが停止すると排出ガスが抑えられ、環境への配慮につながります。
環境省のデータによると、アイドリング10分間あたりの二酸化炭素排出量は90gとされています。東京都内で登録されている全てのクルマが、毎日アイドリングストップを10分間行えば、1年間で約13万tの二酸化炭素排出量を抑えられます。これは日本全体の二酸化炭素排出量の約5万人分に相当する量です。
アイドリングストップで排出ガスを抑えることは、地球温暖化対策にもつながります。
3.騒音が抑えられる
アイドリングストップによりエンジンが停止することで、駐停車中の騒音が抑えられます。
特に住宅街では、クルマの騒音に悩んでいるという方が少なくないため、騒音が抑えられるのはメリットのひとつです。
アイドリングストップのデメリット
アイドリングストップのメリットについてご紹介しましたが、アイドリングストップにはメリットだけではなく、デメリットもあります。
ここからは4つのデメリットをご紹介します。
1.停止時間が短いとかえって燃費が悪くなる
アイドリングストップは停止時に燃料を消費しないため節約になりますが、エンジンの停止時間が短いとかえって燃費が悪くなる場合があります。
一般財団法人 省エネルギーセンターによると、アイドリングストップの状態からエンジンを動かすのに消費する燃料の量は、5秒間エンジンをかけたまま停止している際に消費する燃料の量と同等なのだそうです。
つまり、アイドリングストップの停止時間が5秒未満の場合、アイドリングストップによって抑えた燃料よりも発進時に消費する燃料の方が上回ってしまい、結果的に燃費が悪くなります。
2.部品の消耗が激しくなり劣化しやすくなる
アイドリングストップ非搭載車と比べ、アイドリングストップ搭載車はエンジンの始動回数が多くなります。そのため、バッテリーやゴム製品のブッシュ、タイミングベルト、クランクシャフトなどの部品が早く消耗し、部品交換の頻度が多くなりやすい傾向にあります。
また、アイドリングストップに対応したバッテリーは、通常のバッテリーよりも価格が高い傾向にあるなど、部品交換の費用のみを考えると割高に感じてしまいますが、燃料費などはアイドリングストップによって節約できているので、維持費が高くなるか安くなるかは全体の費用を考慮する必要があります。
3.エアコンが停止・送風に切り替わる
アイドリングストップ時にはエアコンが停止、もしくは送風に切り替わる点もデメリットのひとつです。
ただし、車種やメーカーによっては車内温度が30℃以上の場合には、アイドリングストップをしない設定がされていることもあります。
また、最近ではエンジンが止まってもバッテリーを使ってエアコンを稼働させる車種もありますが、バッテリーの消費が高くなってしまう側面もあります。
4.作動タイミングや発進時に若干のタイムラグ
アイドリングストップは信号がすぐに変わることが分かっている状態や、交通の流れの一瞬の停止、そのほか作動条件で、発進したい時にタイミング悪く作動してしまうことがあります。作動した瞬間はアクセルを踏んでも一時的に反応しないという理由で、アイドリングストップを苦手と感じる方もいます。
また、アイドリングストップはブレーキを離すか、ハンドルを操作するタイミングなどで解除されますが、アイドリングストップが作動していない状態と比べると、発進時にわずかなタイムラグ(時間差)が発生します。
そのため、信号待ちの状態から動き出す時、発進タイミングが一瞬遅れることに違和感を覚える方もいるようです。
エンジン・バッテリーの寿命が短くなる?!
アイドリングストップ搭載車は、非搭載車よりエンジンのオン・オフの回数が格段に多くなります。仮に同じエンジンで同じ回数のオン・オフを繰り返すと、アイドリングストップ搭載車の方がエンジンやバッテリーの消耗が激しくなります。
つまり、アイドリングストップでエンジンやバッテリーの寿命が短くなるのは事実だと言えます。
そのため、アイドリングストップ搭載車には、非搭載車よりも高性能かつ大容量のバッテリーが搭載されています。この種のバッテリーであれば、アイドリングストップに対応した仕様になっているため、エンジンのオン・オフの頻度が多くてもある程度耐えることができます。
アイドリングストップをキャンセルする
発進時のタイムラグやタイミング悪くエンジンが止まってしまうことなどから、アイドリングストップに対して苦手意識やストレスを感じることもあるかもしれません。
しかし、アイドリングストップはキャンセルすることができますので、苦手だと感じる方は以下の方法を試してみてください。
運転席に、上の写真のようなアイドリングストップ機能をキャンセルする解除ボタンがあります。解除ボタンを押せば、アイドリングストップ機能のオン・オフが切り替え可能です。なお、一度エンジンを切るとキャンセル状態がリセットされ、アイドリングストップ機能が再び作動するようになります。
乗車のたびに解除ボタンを押すのが面倒だという方は、アイドリングストップキャンセラーという機器を取り付ける方法もあります。エンジン始動時の設定として、アイドリングストップがキャンセルされた状態が維持されるため、乗車のたびに解除ボタンを押す必要がなくなります。
ただし、アイドリングストップキャンセラーはメーカーの純正オプションではないため、メーカーでの取り付け対応などは行われていません。取り付けには専門的な知識が必要となりますので、特別な理由がない限りは乗車時に解除ボタンを押してキャンセルする方法をおススメします。
アイドリングストップ非搭載車が増えている
アイドリングストップは、近年販売された多くのクルマには標準機能として搭載されてきましたが、あえて搭載しないクルマが多くなってきています。
アイドリングストップが普及した背景には、2009年からスタートしたエコカー減税が関係しています。アイドリングストップ機能を搭載することで、エコカー減税の対象車として認定基準をクリアするという目的がありました。
近年、アイドリングストップ機能を搭載しないクルマが多く登場してきた理由は以下の通りです。
・部品の消耗、バッテリーの価格が高いなど全体のコストパフォーマンスを考慮
・アイドリングストップを搭載しなくても低燃費を実現
・アイドリングストップ機能を苦手とするユーザーが一定数いる
燃費基準の変化も影響
自動車メーカーとしては、燃費基準がJC08からWLTCに変更されたことがアイドリングストップを廃止させる理由としては大きいといいます。
JC08モードは信号待ちなどを想定して停車時間が定められていたため、アイドリングストップを利用することでモード燃費の数値を伸ばすことができたのです。
ですが、WLTCは市街地だけでなく郊外や高速道路での走行を想定したモードも加わり、それぞれのモード燃費のほか、トータルでの平均燃費を算出して表示されています。つまり、市街地でのアイドリングストップによる表面上の燃費表記への貢献がかなり薄らいでしまったのです。
最後に
アイドリングストップは、停車時に自動でエンジンが止まる機能です。燃料費の節約につながるうえに、排出ガスの削減や騒音の軽減など、環境にも配慮されています。
一方で、バッテリーなどの部品の消耗が早く、発進時にタイムラグが起きるなど、人によってはストレスを感じてしまうこともあるでしょう。また、5秒未満のアイドリングストップなど、運転の仕方によってはかえって燃費が悪くなる場合もあります。
アイドリングストップのメリット、デメリットを理解したうえで状況に応じて上手に機能を活用してみて下さい。
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