2022年には一部のETCが使えなくなる?! あなたのETCは大丈夫?!
前回のブログでは、ETC2.0についてご紹介しました。
今や高速道路を利用する方のおよそ90%以上に普及したETCは、便利かつ渋滞緩和にもつながるシステムですが、近い将来一部の機種が使えなくなる可能性があることをご存知ですか?!
さらに2030年までには、さらに多くの機種が使用不可能となる見込みです。
今回のブログでは、一部のETC車載器が使えなくなる具体的な時期と理由をご紹介します。
さらに、使用可能な機種かどうかの判別方法とその対策についてもご紹介していきます。
なぜ2022年に使用できなくなるのか
国土交通省およびITSサービス高度化機構と高速道路会社6社は2018年9月3日、一部のETC車載器が2022年12月1日以降、使用できなくなると発表しました。
ETCは、5.8GHz帯の電波によって車載器と料金所の間で必要な情報を無線通信し、スムーズな高速道路への出入りとキャッシュレス決済を可能とするシステムですが、今回問題となっているのは通信時に発生する「スプリアス」の存在です。スプリアスとは、必要周波数帯以外の外側に発射される「不要電波」のことで、スプリアスが多いと電波障害の原因となるため、電波法で発射強度の許容値が規定されています。
そして、現行の許容値は2年の経過措置期間を経て、2007年12月から全面適用されましたが、現場の混乱を避けるため旧規格で認証を受けた無線設備でも、2022年11月末まで延長して使用できる猶予期限が設けられました。つまり、猶予期限が切れる2022年12月1日をもって「2007年以前の技術基準適合証明・工事設計認証(旧スプリアス認証)を受け製造されたETC」は、法律上使用不可となってしまうのです。
使用不可となる車載器はそんなに多くはない
前項で「法律上」と述べたのは、2022年以降であっても今のところETCが使用している電波はそのままで、車載器の通信機能が失われるわけでもないため、故障していない限りゲート開放や決済は継続して可能だと考えられます。
また、日本の高速道路でETCが本格的に使われ始めたのは2001年11月からですが、国交省のHPで関連情報を確認すると、ETC車載器に関する規格「ARIB STD-T55」に準拠している機種は2022年12月以降も使用が可能との事です。
そして、この規格が最後に改定されたのは2012年11月。つまり2001年から2002年に販売開始され、かつ旧規格で作られているごく初期のETC車載器だけが2022年12月から法律上使用不可となるのです。
しかし、万が一でも旧規格と知らずに2022年以降高速道路で使用、もしくは電波が発生する状態で車載した場合、免許が必要な無線機器の不法設置・運用とみなされ「電波法違反」となり、次のように処罰される可能性があります。
・1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(不法設置・運用のみ)
・5年以下の懲役又は250万円以下の罰金(公共性の高い無線局に妨害を与えた場合)
ですので、物理的に使用できるできないに関わらず、法順守のためにも自分のETCが規制対象かどうか、これからご紹介する判別のポイントをおさえてできるだけ早く確認しましょう。
2022年問題の先に待つ2030年問題
2022年12月から使用不可となるのは、サービス開始草創期に販売・設置されたETCに限られますが、国交省など関連機関が取り組んでいるセキュリティ対策の影響で使用不可の機種が一気に増える「2030年問題」もこの先に待ち受けています。
国交省は情報漏洩のリスク軽減や改ざんなどの不正防止を目的として、ETCに関わる料金所・車載器・ICカードについて「セキュリティ規格」を定めていますが、2017年10月に同省はシステムそのものの規格を変更すると発表しました。これは昨今のIT機器の能力向上による脅威の増大に備えた、セキュリティ機能の拡充が理由であり、国交省は現行セキュリティに大きな障害が発生しなければ、最長で2030年頃までには変更するとしています。
裏を返せばセキュリティに何らかの脅威が発生した場合は、2030年より早い段階で規格が変更されるということであり、いずれにしても新しいセキュリティ規格に対応していない機種は、近い将来使用不可になる可能性があるのです。
そのため、2022年以降も長くETCを安心かつ便利に使いたいのであれば、まず初めに電波法に抵触しないことを必ず確認したうえで、新セキュリティ対応モデルへの買い替えを検討すべきだといえるでしょう。
使える?!使えない?!判別のポイント
自分の愛車に設置されているETCが、2022年問題・2030年問題をクリアできるのか、それが一番気になる点かと思います。
ですが、いつ購入して取り付けたのかなど、時間が経ってしまうと忘れてしまうものですし、すでにETCが設置されていた中古車を購入した場合にはより判別が困難となります。
----メーカーへの問い合わせ・各社HPでの確認
古いETCの場合、旧スプリアス認証なのか否かを車載器本体や車載器管理番号で判断することができません。
そのため、個別にメーカーへ問い合わせるか、各社のHPで確認する必要があります。
パナソニックやデンソーといった国内の主要ETCメーカーでは、下記に専用ページで旧スプリアス規格で製造された機種の型式を公開していますので、上記のメーカーの車載器を設置しているオーナー様は照合してみてください。
デンソー【旧スプリアス規格に基づき製造されたETC車載器に関するお知らせ】
なお、古野電気と三菱電機のETC車載器は、すべて新スプリアス規格に対応しているため、2022年問題に関しては気にせず使用することができます。
----車載器管理番号の確認
画像内で赤い丸に囲まれた数字の一桁目が
「1」から始まっている・・・新セキュリティ規格対応モデル
「0」から始まっている・・・旧セキュリティ規格モデル
となりますので、素人でも簡単に判別することができます。
また、前述した書類を紛失してしまっている場合には、強引な方法ではありますがETCをいったんクルマから外して本体裏面を見れば、管理番号が記されたシールが貼られていますのでご確認ください。
なお、一度剥がしたETCの両面テープは粘着力が弱くなりますので、再設置する場合には改めて両面テープで補強するなど、運転中に剥がれてしまわないようにご注意ください。
----本体の識別マークを確認
車載器識別番号からセキュリティ対応を確認したくても、説明書などの書類が存在しない時や経年によって本体裏面のシールが劣化し、数字がうまく読み取れないケースも多々あります。
そんな時でも簡単に判別する方法があります。
ETC本体にはセキュリティ対応を示す「識別マーク」が記されており、以下の場合は新セキュリティ対応機種と判別できます。
・ETC・・・ETCロゴの下およびカード挿入口付近に「●●●」のマークがある
・ETC2.0・・・カード挿入口付近に「■」のマークがない
上記に当てはまらないETC・ETC2.0および「DSRC」という文字が表記された機種は、すべて旧セキュリティ機種であるため、高速道路を頻繁に使用しETCによる割引などの恩恵を多く受けている方は、すぐにとはいいませんが買い替えを検討するといいでしょう。
ETCが使用不可になった時の対策
2022年問題や早まることも考えられる2030年問題によって、自分のETCが使えなくなった場合、どのように対策すべきでしょうか。
この場合、どちらの影響で使用NGとなったか、または高速道路の利用状況に応じて対策すべきスピード感や方法が異なります。電波法違反で処罰される可能性がある機種の場合は、早急な買い替えを検討すべきですが、高速道路の使用頻度がそれほど多くないユーザーの場合は車体から取り外し、利用しないという選択肢もあります。
気をつけて欲しいのが、スプリアスが発生する状態だった場合、高速道路ではなく一般道を走行している時はもちろん、仮に駐車場で停車しているケースであっても、電波法違反で検挙される可能性がある事です。
おそらく2022年12月の猶予期限終了直後は、警察による適用外ETCの取締りが強化されるとみられるため、使用停止する場合は電源を抜くだけでなく、完全に取り外して保管した方が無難です。
また、国交省によると旧スプリアス規格に則り製造された一部の製品について、発射強度などを再測定し新スプリアス規格への適合を「再認証」、つまり継続使用を可能とする動きもあるため、情勢を見極めて買い替え時期を決定することも重要になります。なぜなら、再認証されれば買い替えの必要なく利用を再開できるのです。
もちろん、すぐには買い替えずいったんは取り外して様子を見るというのもありですね。
加えて、適合する中古機種を購入し2022年問題を乗り切る方法もありますが、ヤフオクなどの個人オークションで安価で出品されている商品、および中古車に搭載されているETCは旧スプリアス規格の機種である可能性もあるため、前述した手順で事前に判別するようにしましょう。
一方、2022年問題をクリアしている機種なら最長10年は問題なく使用できるため、それほど焦って買い替える必要はありませんが、現在販売されている車載器は「ETC2.0」が主流であり、ETC2.0限定の通行料金割引サービスも登場しています。
そして、ETC2.0はETCより多くの個人情報をやり取りするため、頻繁に高速道路でETCを使っているユーザーは料金節約はもとより、個人情報保護にもつながる新セキュリティ対応のETC2.0へ思い切って買い替えることもご検討ください。
最後に
2030年はともかく、2022年12月がやってくるのはそんなに遠い話ではありません。
万が一でも電波法違反を犯さないためにも、自分のETCが迷惑なスプリアスを発射していないかどうか一刻も早く確認し対策を講じましょう。
いずれにしても、知らないうちに法律を犯すリスクがあることや、便利なETCがある日を境に突然使えなくなることは不安ですが、ご紹介した判別方法や対策法を参考に、愛車のETCについてこの機会に確認してみてはいかがでしょう。
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