EV車での立ち往生 寒さへの備えと対処法

2022/01/13 ブログ

 

 

大雪によってクルマが長時間立ち往生してしまったら・・・


2020年12月には関越自動車道で2000台ものクルマが動けなくなり、翌21年1月には福井県の北陸道でも立ち往生が発生したのは記憶に新しいところです。
2021年12月下旬にも滋賀県の国道などで立ち往生が発生しています。

 

ドライバーが不安に思うのは、寒さへの対応と燃料がその程度持つのかということです。とりわけ、暖房に多くの電気を消費するといわれる電気自動車の場合、その不安がガソリン車よりも大きくなるのは当然です。

 

「電気自動車は危ないのではないか」
そんな不安を煽るような論説も目にすることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?!

 


今回のブログでは、電気自動車(EV)で長時間立ち往生してしまった場合の対処法や備えたいアイテム、JAFが行った検証などをご紹介していきます。

 

 

 

 

 

高速道路会社の対策

 

 

NEXCO各社では、大雪の予報が発表された場合には「3日前から不要不急の外出の自粛や広域迂回の呼びかけを、1日前からは通行止め区間・日時・迂回経路などの情報提供を緊急テレビCM、WEBサイトやSNSなど多様な広報媒体を活用し、繰り返し実施すること」、さらに「高速道路と並行する国道などの同時通行止めを含む計画的・予防的な通行規制を実施する」など立ち往生を発生させない対策を強化することを表明しています。

 

NEXCO中日本のニュースリリースによると、新たに「大雪による滞留が発生した際の備えとして、ガソリン車への燃料補給に加え、EV車への充電対応など」を行うための装備を事前に準備し「EV車に向けた可搬式充電器(28台)や電気自動車用急速充電車(1台)を配備」することを発表しています。

 

 

 

 

 

消費電力は使用条件でどう変わる?!

 

 

興味深い実験データがあります。

JAFユーザーテストにおいて、暖房の使用条件の違いでEV車の電力消費量はどう変わるのかを検証しました。

 

同一車種のEV4台を用意してそれぞれモニターに乗ってもらい、夜7時~深夜0時までの5時間、異なる暖房使用条件を設けて実験した結果は、下の表のようになりました。(※全車両の電力残量を70%に揃えた状態で実験を行っています)

 

 

※出典:ウエザーニュース

 

 

エアコンを継続使用したテスト車①はかなり電力を消費しましたが、電気毛布を使用したテスト車➁は電力が多く残りました。けれど、テスト車➁~④ともモニターは「体の部分的な冷えに耐えながら寒さをしのいだ」とコメントしているので、厚手の毛布や携帯コンロ、防寒着などの準備が大切になってきます。


「電力消費量少ない暖房器具や純正シートヒーターなどを併用して、寒さを感じたらエアコンを使うなどすれば、体への負担を減らせそうだ」とJAF Mate編集部は考察しています。

 

端的に言って、エンジン車でもEV車でも閉じ込められたら丸一日ほどで車両のエンジンはピンチとなります。つまり、EV車だから危険といった話に合理的な根拠はありません。
エンジンの排熱で暖房がよく効くエンジン車の感覚で「EVはヤバイ」などと感じるのかもしれませんが、エンジン車には大雪でマフラーからの排気が滞ると一酸化炭素中毒のリスクがあります。

 

天変を前に「エンジン車が」とか「EV車が」という議論には、あまり意味がないといえます。

 

 

 

 

 

電気製品を活用しましょう

 

 

電気を節約しなければいけないのに、電気製品を使っていいの?!と思いがちですが、一般的な電気毛布の消費電力は20W~50Wです。


EV車は電気を取り出せるのが利点ですから、エアコンを作動させるよりも、あえて弱電力の暖房器具を使用することで電気残量をより多く残すことができます。


また、オートバックスセブンの広報担当者は「大雪の立ち往生や災害時の備えに役立つのがポータブルバッテリーです」とアドバイスします。


ポータブルバッテリーがあれば、電源が取れない場所でも電力供給が可能となり、車中泊に加え、災害時や家庭用蓄電池としても活躍します。

 

車内でスマホやタブレットなどのモバイル製品の充電だけでなく、電気毛布や電気ポットなど様々な電気機器に給電することが可能です。
クルマでの遠出前にしっかりと充電しておけば、長時間でも安心して使用できます。

 

 

 

 

 

大雪予報時の注意点

 

 

EV車で大雪が予想される地域へ出かける際の注意点をまとめておきます。

 

--------エアコンの設定温度は控えめに
まず、実験時の外気温はー8.1℃で、オートエアコンは25℃に設定していたとのこと。温度差は実に30℃以上です。ヒートポンプとはいえ、電気で熱を生み出すには大きなエネルギーを消費します。実験結果でもおおむね10時間弱で残量10%になって実験終了とあるように、概算するとエアコンで2.5kW近くの電力を消費していたことになります。車内に長時間閉じ込められそうな状況でエアコンを使う際には、設定温度は控えめにするのがオススメです。

 

--------シートヒーターなどを活用する
日産リーフをはじめとする電気自動車の多くは、エアコンよりも消費電力が大幅に少ないシートヒーターやステアリングヒーターを備えています。身体が冷え切ってしまわないよう、上手に活用しましょう。

 

--------電気毛布などの防寒アイテムを用意しておく
そもそも、大雪が予想される地域へドライブするのであれば、安全対策の備えをしておくのは当然のことです。

●タイヤチェーン
●厚手のコートなど防寒着
●手袋
●長靴など
●スコップ
●ブースターケーブル
●毛布やカイロなどの防寒アイテム
●食べ物や飲み物
●スマホなどの充電アイテム


 

ざっとリストアップするとこんなところでしょうか。あとは、簡易トイレもあると安心ですね。そして、この必要な「備え」は、エンジン車でもEVでも同じです。ひとつ、暖房が弱点(電気から熱への変換効率は決してよくない)であるEVの場合には、普通の毛布だけでなく、シガーライターソケットから電源が取れるものやUSBタイプの電気毛布があるとさらに安心です。通販サイトなどで2000円程度からいろんな製品があるので、同乗する人数分用意しておくといいですね。

 

 

 

 

 

最後に

 

 

積雪の多いエリアへ出かけるときは必ず天気予報を確認し、防寒着、毛布などの備えを、EV車の場合は弱電力の電気暖房器具も用意しておきましょう。


USBタイプの電気毛布の場合、電源は5V2A対応のものが多いので、車載のUSBポートや所有しているアダプタで使えるかどうか、あらかじめ確認しておくのがベターです。同乗者人数分のポート(アダプタ)が使えることも確認しておきましょう。


初期のリーフなど、PTCヒーターを採用している車種では、エアコンの消費電力がより大きくなることも忘れてはいけません。大雪に限らず厳寒期のドライブで、エンジン車に比べてEV車では「寒さ対策」の工夫がより大切となってきます。

 

 

 

 

 

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