知っておきたい 高速道路での走行ルール
高速道路は一般道よりもクルマの走行速度が速いため、ドライバーのちょっとした不注意が事故につながるリスクが高くなります。
また、高速道路には見落としがちなルールや一般道とは異なるルールも存在しており、ルール違反となることも多々あります。
今回のブログでは、高速道路でのルールや違反についてご紹介していきます。
追い越し車線のルール
2車線以上ある高速道路の一番右端の車線は「追い越し車線」といい、原則として前のクルマを追い越す場合にのみ走行が認められています。そのため、追い越しをする場合、工事などによって走行車線が限定されている場合、緊急車両に進路を譲る場合、その他道路状況の影響でやむを得ない場合以外は走行が認められていません。
しかし、遅いクルマを安全に追い越すために設置された追い越し車線を低速度で走行しているクルマを時折見かけます。そうしたクルマに遭遇した場合、追い越しをしたいクルマは低速のクルマの後を走る以外になく、交通の流れを悪化させてしまいます。
----違反取締り状況
追い越し車線を走り続ける行為は「車両通行帯違反」に該当します。
2019年における車両通行帯違反での検挙件数は60,775件。最高速度違反の325,755件よりは少ない数字ではありますが、それに次いで多い違反となっており、違反全体の12.6%を占めています。
----追い越し車線の長距離走行は違反
追い越しが完了したら速やかに左側の走行車線に戻りましょう。走行車線に戻ることなく追い越し車線を長距離にわたって走り続けると、「車両通行帯違反」で罰せられます。
どの程度の距離を走行すれば違反となるかという具体的な規定はありません。走行車線が混雑していて安全に戻れない場合もあるため、追い越し車線上の長距離走行の取締りは、交通状況に応じて判断されます。
道路交通法20条に違反しており、仮に違反した場合は、違反点数は1点、反則金は普通車の場合6000円が科されます。
----追い越し車線でも最高速度は変わらない
追い越し車線であっても、定められた速度を超過しての追い越しは「最高速度違反」で罰せられます。
追い越しの際は、素早く追い越すためにスピードが上がりがちですので、十分注意しましょう。
----走行中に追いつかれたら道を譲る
道路交通法第27条では「他の車両に追いつかれた車両の義務」が定められています。追い越し車線を走行中に追いつかれたら、できるかぎり速やかに走行車線に戻り、進路を譲らなければなりません。
また、後続車両の追い越しを妨げるような加速をしてはいけません。これらに違反した場合は「他の車両に追いつかれた車両の義務違反」で罰せられます。
道路交通法27条違反に該当し、違反点数は1点、反則金は普通車の場合6000円が科されます。
最低速度違反
高速道路でついスピードを出しすぎてしまい最高速度違反で取り締まられることがありますが、高速道路では「最高速度」だけでなく、「最低速度」も定められている点に注意が必要です。
道路交通法75条の4では、「自動車は、法令の規定によりその速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、高速自動車国道の本線車道においては、道路標識等により自動車の最低速度が指定されている区間にあってはその最低速度に、その他の区間にあつては政令で定める最低速度に達しない速度で進行してはならない」と定められており、高速道路では最低速度以上で走行するように定められています。
さらに、道路交通法施行令第27条の3では、「第75条の4の政令で定める最低速度は、50キロメートル毎時とする」と定められています。
渋滞時や危険を防止するためにやむを得ない場合を除いて、50km/h未満で走行すると道路交通法違反に当たります。
仮に違反した場合は、違反点数は1点、反則金は普通車の場合6000円が科されます。
ガス欠
一般道であれば、すぐにガソリンスタンドに行くことができますが、高速道路では限られたサービスエリアやパーキングエリアにしかガソリンスタンドがありません。
そのためガス欠の発生する件数が多く、JAFによると、2020年8月8日から16日までのお盆期間に198件も出動があったといいます。燃料切れは、この時期の高速道路で救助要請が多かったロードサービスの第2位となっています。
高速道路で停止するのは大変危険なため、一般道以上にガソリンの残量に注意を払う必要があります。
道路交通法第75条の10では、「高速道路でガソリン、冷却水、エンジンオイルの不足により自動車が運転できなくなることを防止する」ことが求められています。
仮に高速道路でガス欠になった場合、違反点数は2点、反則金は普通車の場合9000円が科されます。
トンネル内無灯火
夜間の走行時はヘッドライトを点灯することが道路交通法第52条で定められています。
道路交通法施行令第19条では、「第52上の政令で定める場合は、トンネルの中や濃霧がかかっている場所などでは、高速道路では200m、その他の道路では50m以下であるような暗い場所を通行する場合灯火する必要がある」といった規定があります。
そのため、トンネル内においてもヘッドライトを点灯する必要がありますが、高速道路では速い速度で走っていることから、トンネル進入時にライトをつけ忘れてしまうという場合もあるかもしれません。
トンネル内を無灯火で走行していると周囲のクルマから気づかれにくく、後続車から追突されたり、隣の車線を走るクルマが突然車線変更してきたりといった可能性が高くなり危険です。
仮に、高速道路や一般道のトンネル内を無灯火で走行した場合は、道路交通法施行令52条に違反する可能性があります。
違反した場合は、違反点数は1点、反則金は普通車の場合6000円が科されます。
ライトを付けてトンネル内を通過する際は、ライトはスモールライトではなく、ヘッドライトを点灯します。
オートライトの機能がついているクルマは忘れずにオンにして、事故防止に努めましょう。
左車線からの追い越し
道路交通法第20条3項において、追い越しは右側から行うことが義務づけられているため、左側からの追い越しは「追越し違反」として処罰されます。ただし、車線変更をともなわない左側からの追い抜きには規定がありません。
違反した場合は、違反点数は2点、反則金は普通車の場合9000円が科されます。
しかし、クルマの左側は死角が多いため、追い抜かれる側が左側から来るクルマに気づかず急に車線変更をする恐れがあります。追い越しはもちろん、追い抜きもなるべく右側から行うようにするのが安全です。
駐停車違反
高速道路上は路肩が広く確保されていますが、故障や事故、急病や自然災害などの緊急時を除いて駐停車は禁止です。一定間隔ごとに設けられた非常駐車帯も、緊急時以外は原則使用禁止とされています。高速道路上で駐停車をした場合は、「駐停車違反」の罰則が適用され、反則点2点、普通車で12,000円の反則金が科せられます。
また、クルマの故障でやむを得ず停車する場合は、後方に注意を促すための三角表示板の掲示が求められます。掲示していなければ「故障車両表示義務違反」が適用され、反則点1点、普通車で6,000円の反則金が科せられます。
路肩走行
高速道路上の広い路肩は、事故車や故障車、緊急車両のためのものです。救命活動の妨げとなる恐れがあるため、一般車両は路肩を走ることが禁じられています。
これに違反した場合は、「通行区分違反」の罰則に該当し、反則点2点、普通車で9,000円の反則金が科せられます。
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