ハイドロプレーニング現象とは?! 発生の原因と対処法
ハイドロプレーニング現象という言葉を知っていますか?!
ハイドロプレーニング現象という言葉を聞いたことがあっても、具体的にどのような現象なのか説明するのが難しいという人は多いのではないでしょうか。
運転中にハイドロプレーニング現象が起きてしまうと、状況によっては大きな事故に繋がりかねません。しかし、日頃からしっかりと対処を行っていればハイドロプレーニング現象は防ぐことができます。
今回のブログでは、ハイドロプレーニング現象の原因と対処法について解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
ハイドロプレーニング現象とは
ハイドロプレーニング現象とは、水たまりなどの路面で発生する現象のひとつで、路面とタイヤの間の摩擦がなくなり、ステアリングで制御できなくなる現象です。
ハイドロプレーニング現象は一般道でも発生しますが、特に高速道路で起こりやすい傾向にあります。
首都高速道路のデータによると、雨の日は晴れの日に比べて1時間あたりの施設接触事故(ガードレールや側壁に接触する事故)が14倍、死傷事故が6倍発生しています。事故の原因はスリップによるものが多く、ハイドロプレーニング現象が原因でスリップが起きている事例も多くあります。
ハイドロプレーニング現象が発生した時に運転手ができることは、ハイドロプレーニング現象ができるだけ早く終わることを願うことだけで、運転技術の有無で解決できるものではないとされています。
つまり、ハイドロプレーニング現象を発生させないような運転を心がける必要があります。
ハイドロプレーニング現象の原因
ハイドロプレーニング現象は雨の日に起きやすくなると前述しましたが、以下の3つの条件のどれか1つでも満たすとさらに発生しやすくなります。
・タイヤの摩耗
・速度の出し過ぎ
・空気圧不足
ハイドロプレーニング現象が起きやすくなる原因について、それぞれ解説していきます。
----タイヤの摩耗
ハイドロプレーニング現象が起きやすくなる原因の1つ目はタイヤの摩耗です。
通常タイヤには排水性が備わっており、ある程度は地面とタイヤの間の水を排出することができます。
タイヤの排水性はタイヤの溝があることによって保たれているのですが、長くタイヤを使用していると、タイヤは摩耗していき溝は浅くなっていきます。
そのため、長く使用しているタイヤはハイドロプレーニング現象が起きやすくなると言えます。
タイヤの溝は走行距離約5,000㎞で1㎜すり減ると言われています。
そのため、新品のタイヤに交換してから20,000〜30,000㎞以上走行した場合は、雨天時はハイドロプレーニング現象が起こりやすくなるということを覚えておきましょう。
----速度の出し過ぎ
ハイドロプレーニング現象が起きやすくなる原因の2つ目は走行速度です。
ハイドロプレーニング現象は、雨の日に時速約80㎞を超えて走行すると起きやすくなることがわかっています。
タイヤには排水性が備わっていると前述しましたが、速度が上がるほどタイヤは回転数が増え、地面との接地時間が短くなり排水性が低くなってしまいます。
そのため、走行速度が速くなるほど、タイヤと地面の間の水は排出されにくくなり、ハイドロプレーニング現象は発生しやすくなります。
高速道路などでは、雨が降ると速度制限が80㎞になりますが、これはハイドロプレーニング現象が起きやすくなることが原因です。
しかし、前述した通りタイヤの摩耗によって排水性が低下している可能性もあります。時速80㎞未満でもその他の要因によって、ハイドロプレーニング現象が発生する可能性はあるため、高速走行中は注意するようにしましょう。
----空気圧不足
ハイドロプレーニング現象が起きやすくなる原因の3つ目は空気圧不足です。
空気圧が規定よりも不足していると、地面とタイヤの接地面が広くなるため、水がタイヤの溝から外へ排出されるまでの時間が通常よりも長くなります。
そのため、空気圧不足はタイヤの排水性を低下させ、ハイドロプレーニング現象を引き起こす原因になります。
また、タイヤの空気圧は4台に1台は不足していると言われています。
タイヤのゴムは空気を通す素材のため、穴が空いてなくても自然に空気が外に漏れ出てしまい、1ヶ月に5〜10%程度は空気圧は低下していきます。定期的に空気圧を補充していない場合は、知らない間に空気圧不足になってしまっている可能性が高いです。
タイヤの空気圧不足は排水性を低下させますので、定期的に補充をするようにしましょう。
ハイドロプレーニング現象が発生したら・・
雨の日に走行中、以下のような状況になったらハイドロプレーニング現象が起こっている可能性があります。
・ハンドルやブレーキがまったく効かない
・クルマの後部が横滑りする
・実際の速度と速度計の表示が違っているように感じる
・クルマが浮いたような感覚になる
----グリップが復活した時に備える
既に紹介したように運転技術でハイドロプレーニング現象から脱することは不可能です。そのため、ハイドロプレーニング現象に陥った時には何もせずに減速するのを待つという対策が頻繁に紹介されます。
確かにハイドロプレーニング現象が終わるのを待つ以外に他はないのですが、場所によってはこれと同時にステアリングを進行方向へ切ることも求められます。
例えばきついカーブの手前の直線でハイドロプレーニング現象になった場合、そのまま解除されなければ反対車線のガードレールに一直線(あるいは崖下へ転落)ですし、解除されたとてステアリング操作をしていなければクルマを曲げることはできません。
以上のことから、進行方向の道路状況に合わせてステアリング操作も行うべきです。
----周囲へ危険を伝える
ハイドロプレーニング現象によって制御を失った車両が周囲の人々へ二次災害を引き起こす可能性もあります。
そのような場面で運転手が余裕のある時には、クラクションを鳴らして周囲へ危険喚起することで、二次災害による被害を多少なりとも防げるかもしれません。
クルマが制御不能になると、恐怖心から咄嗟に急ブレーキや急ハンドルをしてしまう人も多くいます。しかし、それはかえって逆効果になり、大きな事故を引き起こしてしまう可能性もあります。急ブレーキ、急ハンドルは絶対にしないようにしましょう。
ハイドロプレーニング現象の予防法
ハイドロプレーニング現象によって急にクルマが制御不能になるのは、できれば避けたいことです。そこでこの項では、ハイドロプレーニング現象を予防するための方法を解説していきます。
----スピードに注意する
ハイドロプレーニング現象の予防法1つ目は、雨の日はスピードに注意することです。
新品のタイヤでも走行スピードが時速100㎞を超えるとタイヤがほとんど浮いてしまい、ハイドロプレーニング現象が非常に発生しやすくなります。
また、水はけの悪い道路や豪雨などでできた水たまりなどを走行する場合も、走行スピードに注意する必要があります。
冠水した路面は水たまりが深くなりやすく、低速でもハイドロプレーニング現象が発生する可能性があります。道路がこのような状態になったら、その場所を避けて走行するか、いつもよりも速度を落として慎重に走行するように気をつけましょう。
----タイヤの溝をチェックする
タイヤの溝が十分に残っているのかを確かめてください。
残り溝を確認するにはスリップサインを見るのが手っ取り早いですが、新品タイヤを購入時に新品タイヤの溝がどれくらいあるかを把握しておきましょう。
そうすることでどれくらいタイヤが消耗したのかを把握できます。
----古いタイヤは使わない
古いタイヤを使い続けないことも重要です。
タイヤ交換のタイミングはスリップサインが出てからと、考える人もいるかもしれませんが、それでは少し遅すぎるかもしれません。
道路交通法ではタイヤは溝が1.6㎜以上あれば走行は可能ですが、タイヤの排水性はかなり低下してしまっています。そのため、なるべくタイヤ交換は溝が2〜3㎜よりも前の段階でするようにしましょう。
また、通常よりも排水効果の高いタイヤも開発されているため、雨の日により安心して走行したいのであればウェット性能の高いタイヤを選ぶのもおすすめです。
----タイヤのメンテナンスが重要です
タイヤのメンテナンスを定期的に行ってください。特に重要なのは、空気圧点検とタイヤローテーションです。
空気圧は1ヶ月に1回程度、点検をすれば空気圧不足を避けることができます。ガソリンスタンドやタイヤ専門店などでも、気軽に点検を受けることができるので、日々の給油や買い物などのついでに空気圧の点検をするのもおすすめです。
タイヤローテーションは、タイヤの溝を保護する上で非常に重要です。
タイヤは使用状況や道路状況によって、部分的にすり減ってしまうことがあります。これを偏摩耗といい、そのまま走行を続けてしまうと、一定の部分だけゴムがすり減ってしまいタイヤの寿命が短くなってしまいますし、排水性などの性能を悪化させてしまいます。
偏摩耗を避けるためにも、走行距離5,000㎞を経過するごとにタイヤローテーションをするのがおすすめです。
この他に、タイヤの傷や摩耗状態を把握しておくことも、ハイドロプレーニング現象の防止に繋がります。
----タイヤのグリップを把握する
路面状況に合わせた速度で運転すると同時に、タイヤがどれくらいグリップしているのかを把握することは、ハイドロプレーニング現象を防ぐために運転手が行うべきこととも言えるでしょう。
路面の水量が極端に多いところであれば自然と速度をいつもより抑えて走行するはずですし、タイヤの地面への食いつき具合がいつもより少ない(滑りやすい)と感じれば未然にスリップやハイドロを防ぐことにもつながります。
自転車やバイクでも発生する
ハイドロプレーニング現象が路面とタイヤ間の摩擦関係によって引き起こされる以上、自動車だけでなく他の車両(タイヤが装着されているもの)でも発生します。自転車やバイク、さらには旅客機などもハイドロプレーニング現象が発生する可能性があるわけです。
特に旅客機では着陸時にハイドロプレーニング現象の発生リスクがあるため、滑走路にグルービングと呼ばれる溝を設けて水捌けを向上させた滑走路もあります。
自転車やオートバイのような二輪車でハイドロプレーニング現象が発生すると、減速やステア操作ができないだけでなく転倒するリスクが極めて高くなります。
二輪車での転倒は車体はもちろんのこと乗り手が大きな怪我を負うリスクもあるので、先ほど紹介した対策に加えて乗り手の安全装備を充実させることも大切です。つまり、転倒する前提で装備を揃えるということです。
最後に
本ブログでは、ハイドロプレーニング現象について解説しました。
急にクルマがコントロールできなくなってしまう状況はできれば経験したくないですよね。
ハイドロプレーニング現象は、タイヤのメンテナンスを適切に行い、走行速度に日頃から気をつければ、ほとんど防ぐことができます。
タイヤ交換のタイミングも重要です。
スリップサインが出るギリギリまで使用するのではなく、以前に比べてタイヤの性能が落ちたと感じたら、なるべく早くタイヤ交換をするようにしましょう。
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