扁平タイヤとは?! そのメリットとデメリット

2022/06/17 ブログ

 

 

タイヤの扁平率は、見た目と乗り心地を大きく左右する要素です。最近は見た目が薄型の「低扁平率」タイヤが一般的になっています。


扁平タイヤは、その見た目のカッコよさからドレスアップに人気のパーツの一つとなっています。しかしながら扁平タイヤを装着することでのメリットは思いついても、デメリットはパッと出てこないかもしれません。


せっかくかっこいい扁平タイヤを装備しても、後々になって思わぬトラブルに繋がるなんてことも考えられます。


今回のブログでは、扁平タイヤの概要や装着によるメリット・デメリットなどをご紹介していきます。

 

 

 

 

 

タイヤの扁平率とは?!

 


タイヤの扁平率とは一言で言ってしまえばタイヤのゴム部分の厚みのことです。


計算式でいうとタイヤの高さ÷タイヤ断面幅×100で求められますが、一般的にタイヤの扁平率はタイヤのサイドウォールに記載されています。

 

 

 

 

 

扁平タイヤとは?!

 


扁平タイヤは、タイヤの平べったさを表す扁平率が低いタイヤのことです。一般的には扁平率が55%以下のタイヤを扁平タイヤと言います。扁平率が低くなるにつれ縦に薄くなり、横幅が広くなることが特徴です。


プロファイル(断面形状)が潰れたように薄いことから、ロープロファイルタイヤ(Low Profile Tire)と呼ばれることもあります。


扁平タイヤを装備することで、ホイールが大きく見えることがメリットの一つで、そのためドレスアップに人気のパーツとなっていて、スポーツカーに装着されていることがほとんどです。


このようにドレスアップにも活用される扁平タイヤは、主にタイヤの外径を変えずリム径を大きくする「インチアップ」や、リム径を変えずに扁平率を下げる「セイムリム扁平化」などの方法によってタイヤを薄くしています。

 

 

 

 

 

タイヤのサイズを確認するには

 


自分のクルマのタイヤのサイズを知りたい際は、サイドウォールに刻印されている数字などを確認しましょう。


例えば「255/40 ZRF 20 91 V」と表記されていた場合は、以下のような意味合いになります。

 

・タイヤ断面幅:255mm
・扁平率:40%
・タイヤ構造:ZRF
・リム径:20インチ
・ロードインデックス:91kg
・スピードレンジ:V

 


ロードインデックスは、タイヤ一本で支えられる最大負荷能力を示す指数。またスピードレンジは最高速度を記号化したもので、詳細については各タイヤメーカーのサイトで確認しましょう。

 

 

 

 

 

タイヤの扁平率を変えるには?!

 


タイヤの扁平率を変える方法はいくつか存在しますが、
ここではそれぞれご紹介していきます。

 

 

----低扁平にする「インチアップ」

タイヤの扁平率を変える手段として最も一般的なのがインチアップです。


インチアップではタイヤの外形を変えずにリムのサイズをアップするので、タイヤのゴム部分は伸ばされて必然的に薄くなるのでタイヤの扁平率が低くなります。


タイヤのドレスアップで最も一般的な方法です。

 

----扁平率が上がる「インチダウン」

インチダウンはインチアップとは逆にタイヤの外径を変えずにリム径を小さくすることをいいますが、インチダウンはスタッドレスタイヤに変更する際に行なわれることが多いです。


タイヤは基本的にサイズが小さくなると価格も比例して安くなるので、一般的なタイヤと比較して高額になりがちなスタッドレスタイヤをインチダウンすることで価格を抑えるというメリットがあるからです。


またインチダウンによってタイヤの扁平率が高くなるとタイヤ幅が細くなり、その分タイヤの接地面積が減るため車の重量が一点に集まるようになり接地圧がアップします。


そのため滑りやすい雪道でも滑りにくくなるという効果もあります。

 

----低扁平になる「引っ張りタイヤ」

タイヤ幅を変更してしまうのもタイヤの扁平率を下げる一つの方法です。


リムの適正サイズよりも細いタイヤを使用すると、タイヤを引っ張るような形になりタイヤのサイドウォールの高さは低くなり、タイヤの扁平率は下がります。


販売されている低扁平タイヤは高価なものが多いですが、引っ張りタイヤにするのであれば特別高価な低扁平タイヤを使用せずに低扁平化することも可能です。


しかし空気圧の管理の難しさや純正サイズではないためリムから外れやすい、という問題もあるようです。

 

 

 

 

 

扁平タイヤを装着するメリット

 


前述した通り見た目がカッコよくなることはもちろんですが、その他にも扁平タイヤを装着することでのメリットは様々です。


まずはメリットを確認していきましょう。

 

 

----ハンドリング・コーナリングの向上

扁平タイヤは接地幅が広く、たわみやよじれがなくなることがメリットです。これにより高速走行時における安定性がアップするほかハンドリングが機敏になり、コーナリング性能がアップすることが期待できます。また高い横剛性を発揮してくれるので、より大きいコーナリングフォースを確保できることも特徴の一つとなっています。


これによりコーナリングがシャープになるほか、カーブでの安定感が高まります。スポーツカーなどの走行性能を重視しているクルマに多く使用されていることが特徴です。

 

----ブレーキングの向上

ブレーキを踏んだ時にタイヤのたわみによって変形しにくいので安定した状態でしっかりと止まることができます。また、ブレーキを踏んでから摩擦が発生するまでの時間が短いことも、ブレーキ性能に影響します。


ブレーキ性能を向上させるためには、ブレーキディスクを大きくする必要があります。そのためにはホイール径を大きくしなければいけません。しかしながら、直径は一定でホイール径を大きくするにはゴム部分を薄くする必要があるので偏平タイヤを装着することで解消されます。

 

 

 

 

 

扁平タイヤを装着するデメリット

 


扁平率の低いタイヤを装備していても、メリットばかりではありません。ここでは扁平タイヤを装着した際のデメリットや、運転時に気をつけるべきポイントを説明していきます。

 

 

----乗り心地の悪化

タイヤの扁平率が高くなるとタイヤの中の空気の量が少なくなるので、タイヤのクッション性が低くなり路面の衝撃を拾いやすくなります。


そのため乗り心地は悪化します。

 

----燃費性能が低下する

低扁平化することでタイヤの幅が横に広がり接地面積が広がります。


そのため接地面積の広さがそのまま転がり抵抗の高さにつながることに加え、インチアップの場合はホイールのサイズアップで重量も増すため、燃費性能は低下する傾向にあるといえるでしょう。

 

----維持費が高くなる

扁平タイヤは生産コストが扁平率が高いタイヤに比べ高くなるため、費用がかかってしまうのもデメリットとなります。


これは薄いタイヤを作成するには、強度を保つために生産コストが割高になってしまうためです。

 

 

 

 

 

扁平タイヤの注意点とは

 


インチアップなどでタイヤの扁平率を下げる場合には注意しておくべき点があります。

 

 

----運転面への影響

タイヤを低扁平化するとそれまでのハンドリングと感覚が変わるので運転の際には注意が必要です。


コーナリング時などにハンドルが重くなったり、それまでよりもハンドリング操作が機敏になったりするので慣れるまでは慎重に運転を行うようにしましょう。


また、扁平タイヤを装着するのであれば、わだちやキャッツアイ、チャッターバーなどに注意してください。キャッツアイやチャッターバーを扁平率の低いタイヤで走行時に踏んでしまうと、車両にかなりの衝撃が伝わります。最悪の場合にはホイールのリムを歪めたり、アライメントを変えてしまう可能性もあります。


さらに扁平タイヤを装備することで、その構造上からホイールを縁石や段差に擦りやすくなります。これはタイヤのサイドウォールのたわみがなく、ホイールが先に縁石などに触れてしまう構造になるためです。その他にもホイールリムが地面に近くなるので、本来扁平率の高いタイヤの場合には当たらない高さだったものが、当たるようになってしまうわけです。


縁石に寄せすぎたりすると、ホイールに傷が入ってしまうので注意しましょう。せっかくのカッコいいホイールに傷が入ってしまわないように、日頃から車両感覚を磨いておく必要があります。

 

----空気圧の管理

扁平率が小さいということはタイヤ内の空気の量も少ないということになります。


正常なタイヤであってもタイヤの空気は自然に少しずつ抜けていくので、もともと空気の容量の少ない扁平率の低いタイヤは空気圧不足に陥りやすいといわれています。


空気圧が低下した状態で段差などの衝撃を受けるとセパレーションを起こしたりする可能性もあるので、こまめに空気圧をチェックするようにしてください。

 

----タイヤ外径/ロードインデックス

インチアップなどで低扁平化を図る場合はタイヤの外径を変えないことが大切です。


タイヤの外径が変化すると速度計に誤差が現れるようになり危険です。誤差が大きくなると車検にも通らなくなります。


またロードインデックスにも注意しましょう。ロードインデックスはタイヤが耐えられる負荷の指数です。


純正タイヤよりロードインデックスが低いタイヤに変えてしまうとタイヤがクルマの負荷に耐え切れず、バーストしてしまう可能性があります。


タイヤサイズを変更する際にはタイヤの外径は変えず、ロードインデックスは純正タイヤと同じかそれ以上のものを選ぶようにしてください。

 

 

 

 

 

最後に

 


今回はドレスアップに人気の扁平タイヤについて概要から、装着することでのメリット・デメリットについて解説してきました。


さまざまなメリットがある扁平タイヤですが、気をつけるべき点も複数挙げられます。


最悪の場合事故につながってしまう可能性も考えられるので、十分注意した上で扁平タイヤを選択してください。不慣れな場合はプロに相談しながら進めるのが安全です。

 

 

 

 

 

 

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