エアコンは燃費を悪化させる?! 燃費向上の使い方

2022/08/23 ブログ

 

 

今やエアコンがついていない新車というのは、まず見かけません。それくらいにカーエアコンは人々にとって必須の装備になりました。


しかし、40年ほど前はそうではありませんでした。そのころ、エアコンを装着しないドライバーの言い分は「燃費が悪くなる」であり、それが都市伝説的に今でも生きているようです。


実際のところ、エアコンで燃費は悪くなるのでしょうか?!


今回のブログでは、カーエアコンの仕組みやエアコンを使用することによって燃費が悪くなる理由、燃費の悪化を抑える対処法などについてご紹介していきます。

 

 

 

 

カーエアコンは冷房機能がメイン

 


まず前提条件として説明する必要があるのは、「家庭用エアコンと車載用エアコンとでは、仕組みが違う」という点です。


家庭用エアコンだと一般的に「冷房と暖房の両方」というのが今の常識ですが、クルマにおけるエアコンは「冷房機能がメイン」となります。


では冬場に使用しているクルマの暖房機能は何なのかというと、簡単に言えばエンジンの排熱を利用したもので、実はエアコン機能は利用していません。そのため暖房だけなら燃費はほとんど変わりません。

 

 

 

 

 

エアコンの仕組みと燃費への影響

 


クルマのエアコンはどうやって冷たい風や温かい風を出しているのか、そしてなぜエアコンで燃費が悪くなるのか、その仕組みについて簡単にご説明します。(※以下でご紹介するのはガソリン車の場合で、ハイブリッド車や電気自動車では仕組みが異なります)

 

 

----冷房機能

エアコンには気化熱の原理が利用されています。
気化熱とは液体が気体になるときに周りの熱を奪う性質のことで、例えばお風呂上がりに濡れたままでいると体が冷えてきますが、これは水滴が蒸発(気化)するときに体温を奪うためです。


エアコン内部では気体を圧縮して送り出すためのコンプレッサーという装置を使い、冷媒が気体になったり液体になったりを繰り返しながら循環しており、その際の熱の移動を利用してエアコンの冷たい風がつくられます。


カーエアコンの場合、コンプレッサーはエンジンを動力として動かします。そのため冷房使用時はエンジンに負担がかり、その分燃料も多く使うので燃費が悪化します。

 

 

----暖房機能

クルマの暖房は家庭用エアコンの暖房とは仕組みが全く異なります。


走行中のクルマのエンジンは高温で、そのままだとオーバーヒートを起こしてしまいます。そこで温度が高くなりすぎるのを防ぐため、冷却水を循環させて熱を下げています。この冷却水がエンジンから奪った熱を利用して、暖房の温風を作り出しています。


家庭用のエアコンの場合、暖房を使うと電気代が高くなりがちですが、クルマの暖房は走行中の不要な熱を再利用しているだけなので燃費への影響はほとんどありません。

 

 

 

 

 

エアコンの使用で燃費は1割以上も悪化する

 


クルマのメーカーが所属する、業界団体の一般社団法人日本自動車工業会が発行する「乗用車の燃費」という小冊子によると、「エアコンスイッチ『A/C』をONにしていると、1割以上も燃費が悪化します」と書かれています。
通常15km/Lで走ることのできるクルマが、150kmの距離を走った場合、エアコンをつけていなければ150km÷15kmで10Lの燃料を消費します。


エアコンをつけていればこれより10%低くなるので、15km×0.9で1L当たりの距離が13.5kmということになります。すると、150km÷13.5kmで約11Lの燃料が必要となり、1Lほど余分にかかる計算です。

 

 

----ほかの電装品を使用した場合には

今ではほぼ必需品となっているカーナビの場合、燃費の悪化率は約3%と言われています。バッテリー上がりの原因だと言われるライトでも、8%程度に留まっています。


そう考えると、エアコン利用時の10%の燃費悪化は、相当大きなものだということがわかります。


なおエンジン排気量の大きさによって悪化率が変わるということはほとんどありません。すなわち、660㏄の軽自動車であっても3500㏄の大型乗用車でも、同様の比率で燃費が悪化するということです。

 

 

 

 

 

燃費の悪化を抑えるコツ

 


室内の温度が高いほど、コンプレッサーが何度も暖かい空気を取り込んでは冷やして……を繰り返す必要があります。


逆に言えば「すでに空気が冷えていれば」コンプレッサーにかかる負担は減らせるということになります。
燃費を向上させるコツは「外気導入モード」と「内気循環モード」を使いこなすことです。

 

 

----外気導入と内気循環を使い分ける

JAFのテストによると、高温になった車内温度を早く下げるには、まずは窓を全開にしてエアコンを「外気導入」にして、空気を入れ替えながら走行し、車内の熱気が出たら窓を閉めて「内気循環」で冷やすことが最も効率的な方法ということがわかります。


外気導入と内気循環を上手に使い分けることで、効率良く車内の温度を下げて燃費を抑えることができます。

 

 

----エアコンの温度設定

カーエアコンの場合、家庭用エアコンに比べて設定温度の変更による燃費への影響は小さいため、暑さを我慢してまでエアコンの設定温度を高くするよりも、快適な温度で過ごすことをおすすめします。


また、自動車部品メーカーのカルソニックカンセイによると、設定温度が低すぎても高すぎても同じくらい燃費に影響するとのことで、日本車の場合は25℃設定がおすすめなのだそうです。

 

 

----暖房使用時には

すでにご説明した通り、暖房機能だけなら燃費の悪化は誤差の範囲です。


そのため「窓の端が少し曇ってきたな」と思ったらエアコンボタンを押して除湿し、窓ガラスがすっきりしたらオフにする、というのを繰り返せば、コンプレッサーの稼働時間を最低限にしたまま、車内を暖かく保てます。


冬場はエアコンをつけっぱなしにする必要はないのです。

 

 

 

 

 

ハイブリットカーのエアコンは?!

 


このブログをお読みの方の中には、ハイブリッドカーや電気自動車をお使いの方もいらっしゃると思います。そういった方々にとってもエアコン使用時の燃費は気になるのではないでしょうか。


ハイブリッドカーの場合は、HVバッテリーから電力を使用してエアコンを稼動させるため、直接燃費に与える影響はガソリン車よりは小さくなります。もちろんハイブリッドカー自体燃費が良いので、維持費をおさえたい方にはおすすめです。


注意したいのは、暖房の使用時はガソリン車より燃費の悪化率が高い点です。


先に述べた通り、ガソリン車はエンジンの排熱で暖房を行うのですが、ハイブリッドカーの走行中はガソリンエンジンは停止しており、バッテリーによって走行しています。


ガソリン車ほど暖房に利用できる排熱がないので、わざわざ電力を消費して熱を作らないといけないのです。

 

 

 

 

 

最後に

 


クルマのエアコンは車内環境を整えるためになくてはならないものです。しかし、残念ながら燃費に負担をかけることも事実です。
それを少しでも軽減するためには、

 


・エアコンはこまめにオンオフする
・車内が快適な気温になったら、「内気循環モード」で節約
・車内が高温のときは、窓を開けるなどして温度を下げてからエアコンですばやく冷やす
・オートモードのエアコンを活用する

 


ことが大事になります。


また、エンジンに負担のかからない運転をすることで、燃費はさらに節約できます。エコドライブは安全運転にもつながるので、ぜひ実践してみてください。


エアコンのこまめな整備も燃費の向上につながります。


車種によってメンテ方法は違うので、取扱説明書を読んだり、ディーラーのスタッフに問い合わせてみるといいでしょう。

 

 

 

 

 

 

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