クルマの個人売買 注意点とトラブル
クルマを売りたい、買いたいと思ったとき、個人売買ならお得に取引できると考えたことはないでしょうか。
クルマの「個人売買」というと、一昔前ならば、家族や親族・知人間でおこなうものというイメージでした。
しかし、情報伝達方法が発展した今では、個人売買で「クルマを売りたい人」と「クルマを買いたい人」を、マッチングする雑誌やサイトが多く存在します。
クルマという高額商品を、まったく知らない他人と売買契約を結ぶ、という方法が増えたということです。
しかし、クルマの個人売買を行うときには、様々なリスクがともなうことを知っておく必要があります。
今回のブログでは、クルマを個人売買するときに気をつけるべき注意点やよくあるトラブルについてご紹介していきます。
クルマの個人売買のリスクとは
友人・知人との間でクルマを売買したり、インターネットのオークションなどを使って個人間で売買したり……というのがクルマの個人売買の主な方法です。インターネットやフリマアプリの普及にともない個人売買という手段は世間に浸透しつつありますが、クルマを個人売買するには様々なリスクがともないます。販売店での売買に比べてどんなリスクがあるのか知っておきましょう。
まず大きな問題として挙げられるのが、クルマの状態を客観的に知ることが難しいという点です。判断基準がなく、素人による確認に頼らざるを得ないので、金額もあいまいなものになります。あとから故障や不具合が発覚すればトラブルの種ともなりかねません。
契約書を交わすことなく取引を進めてしまうのもトラブルを招く要因になります。いい加減な取引相手に当たってしまうと名義変更などの手続きがきちんと行われなかったり、あとからクレームをつけられたり、そもそもまともに代金が支払われなかったりといった問題が起きてしまう可能性があります。取引相手が見つかったときには高く売れた、安く買えたと思っても、結果的に大変な苦労をして損失を被ってしまうかもしれません。
クルマの個人売買でよくあるトラブル
クルマの個人売買では、具体的にどんなトラブルが起こる可能性があるのでしょうか。よくあるトラブルについて見ていきましょう。
----自動車税の納付通知書が前の所有者に郵送される
個人売買トラブルで多いのは、名義変更に関するものです。
自動車保険の納付通知書は、毎年4月1日時点でのクルマの所有者宛てに郵送されます。
そのため、個人売買が4月1日を跨ぐと、クルマの購入者ではなく売り手に通知書が郵送されてしまうのです。
また、前払いで払った分の自動車税は、買取価格に含めた金額を車の価格に足しています。
しかし、約束の期日までに名義変更がされなかったりすると、どんな目的でクルマが使われているかわかりませんので、売り手が一番嫌がる取引相手といえます。
そうなれば、お互いの信頼関係が崩れてしまいますから、
取引を中止して取りやめる場合もありますから、注意が必要といえます。
----事故車や盗難車を買わされる
売り主が知っていて売った場合は、売買契約を無条件でキャンセルすることができます。
しかし、売り主は何も知らず、しかも契約書に「暇疵担保責任を負わない」という旨の記載があると、買い主は泣き寝入りしなければいけないかもしれません。
----車の状態に関するトラブル
クルマの引き渡しが終わったあとで事前に知らされていなかった故障箇所が見つかった、あるいは突然故障したといったトラブルが起きることもあります。とくにエアコンの故障など修理にかかる費用が高額になる場合は揉める原因となりやすいでしょう。
取引前には知らされていなかったのに、事故歴があったことがわかることもあります。購入者側が実際に現物を引き渡されたときに「思っていたのと違う」と感じると、それをきっかけにトラブルに発展することも考えられます。
ネットを介した取引では現物を写真などでしか確認できないことが多いため、クルマの状態に関するトラブルも起きやすくなります。
----代金が支払われない
代金がきちんと支払われないというのは、個人売買で最もよく発生するトラブルです。基本的にローンでの支払いはできないので、購入者は代金を一括で支払わなければなりません。
クルマの代金はそれなりに大金になるので、何らかの事情で全額用意できなくなると支払いが遅れることになってしまいます。売却者にとっては非常に頭の痛いトラブルです。ネットを介しての取引では、あとからいきなり値引き交渉をされるようなこともあります。
クルマの個人売買における注意点
個人売買は上記のようなリスクがあるため、個人間でもしっかりと契約書を交わすべきです。例えば事前に十分な説明がされていなかった故障、不具合、キズなどがあった場合にはどうするかということについて契約書に記載し、お互いに同意をしておく必要があります。名義変更に関して心配な場合は、「一時抹消登録」の手続きをして引き渡しをするという方法も検討しましょう。
また、クルマの状態は交換したパーツ、修理部分、所有者歴、事故歴などについて情報の共有を図りましょう。ローンの残債、税金の未納などについても要確認です。
----事前に両者で細かい部分を確認しておく
外装部分の傷などの確認、事故歴・修理歴の確認、エンジンの調子、走行距離、入金方法、引き渡し方法、名義変更の時期などの確認に加え、車検証も確認が必要です。
また、売買契約成立後にクルマが故障した場合に、責任はどうするかや、不具合のある箇所などもあらかじめ確認しておきましょう。
個人売買のトラブルが多いのは、事前にちゃんと確認しておかないことも、ひとつの原因といえます。きちんとお互いに確認すれば、気持ちの良い個人売買契約ができる可能性が高いのです。
----契約書を交わす
取り引きの際、インターネットなどで契約書をダウンロードして、暇疵担保責任を契約しておきましょう。
「暇疵担保責任」とは、
売買契約後にそのクルマに欠陥が見つかったり、本来備わっているはずの物が無かったりした場合、売買成立から1年間は、買い主が売り主に対して、損害賠償を請求したり修理を依頼できる権利のことです。
もし契約書に、「売り主は暇疵担保責任を負わない」などと書いてある場合は、売り主に何の責任も請求できなくなるので注意しましょう。
----サインの前にはしっかりと確認を
クルマの引き渡しの際、外装のチェックだけではなく、
エンジンルームや実際の走行も、売り主と一緒に確認しましょう。
その際に、「言っていたことと違う」ことや、何か欠陥が見つかった場合、契約書にサインせずに契約を不成立にすることもできます。
チョットした傷ならば、
“ほんの小さな隠し事”と思うかもしれませんが、
“ほんの小さな”ことを隠す売り主なら、
“もっと大きな隠し事”をしているかもしれません。
また、引き渡しの際、早くサインをもらって早く帰ろうとする売り主も、何か後ろめたい事があるのかもしれませんので、引き渡しの際は、クルマを一緒にチェックすることも忘れないようにしましょう。
また、最近では、あらかじめ書類を準備しておいて、引き渡しの日に、契約成立した後、一緒に名義変更に行く方もいるようです。
----事故歴の確認方法
全国にある「財団法人 日本自動車査定協会」に依頼すれば、そのクルマの事故歴が修理歴などをチェックしてくれて、「車両状態確認証明」を発行してもらえます。
依頼するには費用がかかります(車種などにより違う)が、
プロの査定士が検査してくれますし、逆に、そのクルマに「車両状態確認証明」がついていたら安心です。
最後に
個人売買にはリスクがつきものです。これはどれだけ対策を立てたとしてもゼロにすることはできないでしょう。たとえ良さそうな条件に見えても、トラブルなく気持ちのいい取引ができるかどうかは保証されません。万が一自分に非があれば責任を持って対処しなければならず、非がなくてもトラブルに巻き込まれたり、騙されてしまったりすることもあります。
そうしたリスクを考えれば、クルマの売買はプロに任せるのが最も安心できる方法です。信頼できる中古車買取・販売店を選べば、上記で説明したようなトラブルが起きることはまずありません。
クルマは人生でも大きな買い物のひとつですから、後悔のないように納得のいく取引をしたいものです。
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