クリープ現象とは?! その仕組みと注意点

2022/10/28 ブログ

 

 

AT車に乗っている方ならアクセルを踏んでいないのにクルマがゆっくり動き出す現象についてご存じでしょう。


アクセルを踏まなくても、クルマがじわじわと動く現象のことを「クリープ現象」と呼びます。


今回のブログでは、クリープ現象についてご紹介していきます。

 

 

 

 

 

クリープ現象とは?!

 


クリープ現象とは、AT車のエンジンがアイドリングの状態で車両が動くことで、英語では「creep」や「creeping」、日本語では別名「摺り足現象」と呼ばれる事もあります。


クリープ現象の作動条件としては、AT車のシフトレバーが”P”若しくは”N”レンジ以外の場所に入っていれば起こります。そのため、不注意からシフトの”P”レンジや”N”レンジ以外に入れっぱなしで駐車してしまい、クルマが勝手に動き出して前車に追突する等の事故も報告されているため、注意が必要です。

 

 

----クリープ現象の仕組み


クリープ現象はタイヤへの動力伝達の切り替えをクラッチで行っているMT車では発生せず、トルクコンバーターを動力伝達に使っているAT車にのみ起こる現象です。


クラッチであれば、物理的に動力を切断できます。
しかし、AT車におけるクラッチの働きをするトルクコンバーターは動力伝達にオイルを使用しています。


エンジンの動力が緩やかにトルクコンバーター内部のオイルへ伝わり、その力がタイヤへと伝わります。


つまり、AT車はエンジンがかかっていれば、完全に動力遮断をすることができず、エンジンの動力がタイヤに伝わっているためクリープ現象が起きるのです。

 

 

 

 

 

クリープ現象の速度

 


アクセルペダルを踏まなくてもじわじわと動き出すクリープ現象ですが、クリープの速度はどのくらいなのでしょうか。


JAF Mate Parkの実験では軽自動車、コンパクトカー、セダン、ミニバンでクリープの状態で50メートルを走行した結果、動き出しはどのタイプの車も同じような速度でしたが、徐々にスピードは上がって差がつき、一番速いクルマで28秒という結果でした。


この数値を時速に換算すると、時速約6.4キロメートルです。


この実験でわかるように、同じクリープ現象といっても、クルマによってその速度が異なり、意外にもスピードが出ることがわかります。

 

 

 

 

 

クリープ現象のメリット

 


ブレーキを離してしまえば勝手に動きだすクリープ現象ですが、メリットもあります。


言い換えればブレーキペダルの踏み込みのみで駆動力の断続をスムーズに調整できる為、渋滞時や車庫入れ時など、低速で走行する場面において有効活用が可能です。


併せて、ブレーキを離した時から駆動力が徐々に伝わる為、滑らかな発進ができ、坂道発進などでは常にトルクがかかっている為に、急激な坂等でなければブレーキからアクセルへの踏み替え時に車両が後退しにくいと言ったメリットがあります。

 

 

 

 

 

クリープ現象のデメリット

 


運転者が意識しないうちに動き出す場合があるので事故を起こしやすいことでしょう。エンジン始動直後やエアコン作動時など、アイドリングが高い状態では通常のクリープ時より勢いが強く、飛び出し事故に発展する可能性があるなどと言ったデメリットがあります。


しかし、デメリットに関しては運転する際に意識すれば防げる場合が多いのも事実です。

 

 

 

 

 

クリープ現象を運転に活用する

 


クリープ現象は、アクセルペダルを踏まずにブレーキ操作のみで速度を調節できることがメリットです。


そのため、渋滞中や駐車場施設などの狭い場所での移動に利用している方も多いでしょう。


クリープ現象は、以下のような場合にその特徴を活かすことができます。

 

 

----クリープ現象を使って発進


一般財団法人省エネルギーセンターによれば、市街地の走行において燃料の消費の約4割は発進時に使われています。


発進と加速を繰り返す市街地では、発進時の燃料消費量を抑えることが省エネにつながりますので、発進操作が重要です。


発進操作のときに活用したいのがクリープ現象です。
クルマは動き出しに大きなエネルギーを消費します。
静止している状態からブレーキを離してすぐにアクセルを踏むと、多くの燃料を消費してしまいます。


AT車の場合はブレーキを離すとアクセルを踏まなくても、自然とクルマは動き出します。このクリープ現象を使って、クルマが動き出したのを確認してからアクセルを徐々に踏むようにしましょう。


一般財団法人省エネルギーセンターの測定結果では、クリープ現象を活用した発進にすることで、約10%の燃費消費量の削減効果が得られます。

 

 

----駐車の際に活用する


交通事故総合分析センターのレポート「アクセルとブレーキペダルの踏み間違い事故」によれば、駐車場などでは、アクセルとブレーキペダルの踏み間違い事故が発生しやすいという結果が出ています。


事故を起こしているのは高齢者の割合が高く、駐車をする際には運転中に上半身をひねるような様態になり、無意識のうちにペダルを踏む足先が右方向へ移動し、ブレーキペダルを踏むつもりでアクセルを踏んでしまうことが考えらえると検証しています。


高齢者にペダルの踏み間違い事故が多いとはいえ、駐車場のように限られたスペースでアクセルとブレーキペダルを踏みかえることが多い場所では、クリープ現象を活用するのが有効です。


発進時、直進時でも、足は常にブレーキペダルに置いておき、できるだけクリープ現象を活用するとよいでしょう。


それにより、ブレーキとアクセルの踏み間違いを防ぐことができ、万が一の事故でも損害が小さくてすみます。

 

 

 

 

 

最後に

 


AT車の特徴であるクリープ現象についてご説明してきました。


クリープ現象は有効に活用すれば非常に便利な機能ですが、その特徴やしくみを正しく理解していないと思わぬ事故につながってしまう恐れもあります。


クリープ現象の特徴やしくみを確認して、エコドライブや安全運転に役立ててください。

 

 

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