フェード現象とは?! その原因や対処法
フェード現象とは、長い下り坂を走行時に減速のためフットブレーキを多用することによってブレーキに負荷がかかり過ぎブレーキの効きが低下することです。
どのような状況でフェード現象は発生するのでしょうか?!
今回のブログでは、フェード現象の発生原因や発生した場合の対処法などについてご紹介していきます。
フェード現象とは?!
フェード現象というのは、下り坂などでブレーキを多用している時に、徐々にブレーキが効かなくなる現象の事です。下り坂でブレーキを連続で使用すると、摩擦材に含まれているゴムが過熱されていきます。
耐熱温度を超えてブレーキパッドが過熱されていくと、摩擦材が分解されてガス化してきます。ブレーキローターとブレーキパッドの間に、加熱されてガス化した摩擦材が入り込むと、ガスの塊が潤滑材となり摩擦力が発生しなくなるのです。
摩擦によってブレーキはかかるので、結果としてブレーキをいくら踏んでも力がブレーキローターにかかることなく、クルマも止めることができない状態になってしまうのです。
フェード現象の原因とは?!
フェード現象が起こる原因は、長い下り坂を走行中にブレーキペダルを連続使用することで、負荷がかかり過ぎてしまうことにあります。ブレーキペダルを使い過ぎることによってブレーキパッドが高熱になると、摩擦材が分解されてガス化します。
このようにガス化した摩擦材がブレーキパッドとブレーキローターとの間に入るこむことで摩擦力が減少し、ブレーキが利きにくくなるというわけです。
クルマを停止させるにはブレーキをかけるしかありませんが、フェード現象が起こったらフットブレーキ以外の方法でクルマを減速させることが必要になります。特に勾配が激しい場所や、積載量が多いなどの状況では、フットブレーキ以外の方法を使って速やかに減速を始めることが大切です。
ブレーキの仕組み
クルマの三原則は「走る・曲がる・止まる」です。三原則の一つ「止まる」とは、クルマの制動のことです。クルマはブレーキをかけることで、スピードを減速したり必要な場所で停止することが出来ます。そのブレーキには、ディスクブレーキとドラムブレーキの二種類があります。
ディスクブレーキとは、ブレーキパッドをディスクローターに押し付けて摩擦を発生させてブレーキをかけて制動する仕組みです。ディスクブレーキの仕組みがこちらになります。
1.運転者がブレーキペダルを踏む
2.踏んだ力がブレーキブースターにより増幅しシリンダーへ伝わる
3.シリンダー内のブレーキオイルが流れてブレーキキャリパー内のピストンへ
4.ピストンが動くとブレーキパッドがローターを両側から挟む
5.パットとロータ―に発生した摩擦の力で車輪の回転が止まりクルマが減速または停止する
ドラムブレーキには、円筒状のドラムがあり、そのドラムの中にドラムの回転を止めるブレーキシューが入っています。ブレーキシューがドラムの内側から押し付ける動きを行い、摩擦熱を発生させて減速する仕組みになっています。ドラムブレーキの仕組みがこちらになります。
1.運転者がブレーキペダルを踏む
2.踏んだ力がブレーキブースターにより増幅しシリンダーへ伝わる
3.マスターシリンダーからブレーキオイルが流れてホイールシリンダーへ
4.ピストンが動きブレーキシューをドラムの内側へと押し付ける
5.ブレーキシューとドラムの内側に摩擦熱が発生してクルマが減速または停止する
ブレーキをかける時は、ディスクブレーキであればブレーキパッドとローターに、ドラムブレーキでブレーキシューとドラムに摩擦を発生させる仕組みです。ただし下り坂などでフットブレーキを多用すると、ディスクブレーキとドラムブレーキどちらの仕組みであっても、前述した摩擦材が熱を持ってしまいガス化するためフェード現象が起こってしまいます。
フェード現象に対しての対処法
フェード現象によってブレーキが利きにくくなってしまった場合、どのように対処するべきなのでしょうか?万が一フェード現象が起こってしまっても慌てずに対処するために、知っておきたい方法をまとめました。
----エンジンブレーキを併用する
フェード現象が起こってしまうと、いくらブレーキペダルを踏みこんでもブレーキをかけることができませんので、エンジンブレーキも併用してブレーキをかけましょう。エンジンブレーキとはエンジンの抵抗を使用したブレーキのことです。
クルマはエンジンからの動力を車軸に伝えることでタイヤを回転させて走行しますが、走行中にアクセルペダルを離すとタイヤの回転力によってタイヤを動かしている状態となるため、徐々に減速していきます。
この減速のことをエンジンブレーキを言いますが、低いギアにシフトすることによっても減速することが可能です。具体的には、マニュアル車の場合は3速または2速ギア、オートマ車の場合は2または3ギアに入れることでエンジンブレーキを活用することができます。
----ブレーキを冷やす
フェード現象が起きてしまったら、ゆっくり走りながら風を当ててブレーキを冷やすことも大切です。
ゆっくりと走行するのが難しい高速道路の場合は路肩などの安全な場所にクルマを停めて、ブレーキの熱を下げましょう。30分程度休ませると、元の温度にまで下げることができます。
フェード現象を防ぐためには
フェード現象を防ぐために、必要な運転方法やメンテナンスについても解説していきます。
山道や高速道路など、フットブレーキを多用しそうな場面でドライブするのであれば、特に覚えておきましょう。
----下り坂ではブレーキを多用しない
フェード現象はブレーキペダルを多用することによって起こる現象ですので、特に下り坂を運転する際はブレーキペダルを多用しない運転をすることが大切です。スピードを出し過ぎないように注意したり、エンジンブレーキも併用しながら運転することをおすすめします。
また、ブレーキペダルを踏むのであれば、強く短く踏むこともフェード現象の予防に有効です。
----定期的にブレーキの点検を行う
ブレーキに異常が起きていないかを、日ごろから点検しておくこともフェード現象の予防に効果的です。ブレーキを踏んだ際の違和感の有無や、ブレーキオイルやブレーキパッド、ライニングに異常がないかを確認しましょう。
また、ブレーキオイルは、劣化してくると茶色に変化していきます。直接フェード現象とは関係がないブレーキオイルですが、劣化したブレーキオイルはベーパーロック現象の原因にもなり、危険ですので交換が必要です。ブレーキオイルの交換目安は2年~3年に1回といわれています。
最後に
フェード現象は、急にブレーキが効かなくなる怖い現象です。
しかしどのような状況でフェード現象が起こりやすくなるのかを理解しておくと、フェード現象が起こらないように運転することが可能です。
下り坂などでフットブレーキを多用しそうな時には、エンジンブレーキを活用してクルマが加速し過ぎない事でブレーキを多用しなくても良いようにして、安全に運転できるようにしましょう。
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