新車の慣らし運転 必要性とやり方とは
最近のクルマは技術の進歩によって、昔の常識が覆されるようになってきています。中でも定番だったのが「慣らし運転」です。慣らし運転とは運動前のストレッチのようなもので、エンジンやトランスミッションをなじませるために行われていました。近年ではあまり聞きませんが、慣らし運転について気になっている方も多いのではないでしょうか。
現代のクルマでは慣らし運転は不要というのが常識になりつつありますが、日産GT-Rのように慣らし運転が推奨されるモデルもいまだ存在しています。
一方若い世代のドライバーでは、慣らし運転という言葉すら知らない人も多いのではないのでしょうか。
今回のブログでは、新車の慣らし運転についてご紹介していきます。
慣らし運転とは?!
クルマは部品の集合体として、様々なパーツがかみ合ったり動いたりして走行します。慣らし運転は、そのパーツ同士をなじませることを目的として行います。
イメージとしては、革靴やスーツなどを何回か身につけて身体になじませると考えればいいかもしれません。
昔のクルマは今ほどパーツの生産精度が高くなかったため、新品のときにエンジンやトランスミッションなどに軽い負荷をかけ金属同士の余計な摩擦をとっておかないと、後々車両のトラブルや不調の原因になっていました。そのため、慣らし運転は必ずするものという認識が一般的だったのです。
しかし現代ではパーツの精度が飛躍的に高まり、改めて慣らし運転をしなくても高い性能を維持することができるようになりました。
慣らし運転は必要なの?!
新車の慣らし運転は、車両のトラブルを低減させるために行うものです。昔は通例でしたが、近年では慣らし運転をしたことがない方も多いのではないでしょうか。
しかし実際は行われており、慣らし運転が必要な状況もあります。車両を長く維持するためにも、慣らし運転の現状と必要なケースについて確認していきましょう。
----最近では必要ない場合も多い
最近は多くの車両で慣らし運転を必要としていません。部品の精度が低かった昔の車両は、当然のように慣らし運転を実施していました。納車直後は各部品がなじんでおらず、急に負荷をかけてしまうと故障やトラブルの原因になっていたことが理由です。
しかし時代が進むにつれて製造・加工技術が発展し、精巧な部品を作れるようになりました。精度が高い部品は余計な負荷や摩擦がかからず、慣らし運転をしなくても正常な状態を維持できます。
----メーカーが推奨している場合はするべき
慣らし運転をせずに済む車両が多くなっているとはいっても、メーカーや車種によっては必要です。特に慣らし運転が推奨されている輸入車や高級車・スポーツカーなどは、方法や手順も設定されています。
指示通りに部品を慣らすと、本来の性能を発揮しつつ車両の寿命を長く持たせることが可能です。また車種ごとで慣らし運転の方法は異なるため、自己流で実施するとトラブルになる可能性があります。慣らし運転について分からないことがある場合は、購入店のスタッフに確認しましょう。
----新車に限らず必要な場合がある
慣らし運転は新車以外のタイミングでも、実施したほうがよいケースはあります。代表的なものとして挙げられるのは、エンジンやトランスミッションの部品を新品に交換したとき、摩耗によってブレーキパッドやタイヤ・サスペンションなどの足回りを新しくしたときです。
新品に交換したことで新車時と同様の状態になっており、慣らし運転が必要になります。新品となった箇所によって慣らし方は変わるため、交換を実施した際に方法を聞いておきましょう。
一般的な慣らし運転の方法
現代では一般的に不要といわれている慣らし運転ですが、あえて慣らしをする場合の手順を説明します。
前述の日産GT-Rのように慣らし運転の指定がある車種については、メーカーからの指定内容に従って慣らしを行ってください。
一方、特にメーカーの指定がない場合、慣らし運転をあまり難しく考える必要はなく、急発進や急加速・急ブレーキなど「急」のつかない運転操作を心がければ十分です。
プラスアルファの慣らし運転をしたい人は、エンジン始動後1分程度の暖気、約2,000kmを走行するまでエンジン回転は3,000rpm程度に抑え、少しずつ回転数の上限を上げていく、といった点を意識すればいいでしょう。
走行を重ねることで、トランスミッションやブレーキ、サスペンションなどもパーツ同士がなじんできます。
また慣らし運転を行うのは、エンジンだけではありません。
前述のようなトランスミッションやサスペンションをはじめ、あらゆるパーツに気を遣うつもりで丁寧なドライビングを心がければ、クルマに愛着が湧き、長持ちさせることができます。
慣らし運転時に限った話ではありませんが、エンジンが冷えているときに過度な負担をかけるのは絶対にやめましょう。高速走行や峠道を走った直後など、エンジンに高い負荷がかかった直後にエンジンを切るのも避けたいところです。
改めて慣らし運転を行うより、こうした日頃の使い方に注意した方が車両のエンジンやトランスミッションに優しく、長く乗ることができるのです。
慣らし運転を行う場合、まれに金属同士の擦れにより金属粉がエンジンオイルに混入することも考えられます。現代では必須でなくなりましたが、念のため慣らし運転が終わったら、オイルとオイルエレメントの交換をしておくとよいでしょう。
意外に忘れがちなのが、タイヤも慣らしを必要とする点です。レース用タイヤでいう「皮むき」にあたりますが、製造工程で使用された剥離剤を落とすことで、乗用車用のタイヤも本来のグリップを確保することができるようになります。
タイヤメーカーによっても異なりますが、大手メーカーでは80km/hまでで100km走行するというのを目安にしています。タイヤの果たす役割を考えると、慣らしが終わった後も急発進・急加速はできるだけ避けましょう。
慣らし運転はどこで行う?!
慣らし運転はそれ単独で行うことは少なく、多くの場合は日常的に車を使いながら慣らしをしていくことになります。一般道を使う場合と高速道路を使うことがありますが、それぞれどんなメリット・デメリットがあるでしょうか。
高速道路での慣らし運転は、エンジンの慣らしを短期間でできるというメリットがあります。また一定速度での走行が可能なことから、エンジンへの負荷が比較的軽くて済むという点もメリットです。
その一方、高速道路ではブレーキやトランスミッションはあまり使わないため、これらの慣らしにはあまり向いていません。
一般道で慣らし運転を行う最大のメリットは、エンジンやブレーキ・トランスミッション・サスペンションをまんべんなく慣らすことができるという点です。
高速道路より距離が延びにくいというデメリットがあり時間はかかりますが、慣らし運転本来の目的から考えると、車両全体をじっくりなじませることができる一般道を使う方が、慣らし運転には適しているといえます。
新車の慣らし運転の効果とは?!
新車購入時に慣らし運転をするケースは存在します。どういった効果があるのか知らない方もいるのではないでしょうか。実施する必要性を感じられず、何も気にしないまま運転してしまう可能性もあります。
ここでは慣らし運転が車両にもたらすメリットについて紹介しますので、実施する際は効果を確認してみましょう。
----部品をなじませて動きを滑らかにする
慣らし運転によって各パーツがなじみ、車両の動きが滑らかになります。部品同士をなじませることは、乗り心地や車両の寿命を伸ばす大切な要素です。納車して間もない車両の各種部品は、運転で生じる負荷に慣れていません。慣らし運転をしなかった場合、不調や故障などの発生が懸念されます。
例えば摩擦が起きるエンジンやギア周辺は、いきなり高い負荷をかけると部品が激しくすり減る箇所です。車両の動きがスムーズになれば、安全運転にもつながります。慣らし運転の必要性は低くなっていますが、なるべく実施するように心掛けましょう。
----本来の性能を引き出す
新車の慣らし運転は、車両の性能を引き出す効果もあります。例えば新品タイヤは薄い被膜に覆われており、滑りやすい状態です。緩やかに走行することで表皮を剥がせば、本来のグリップ力を発揮できるようになります。
また運転手のためにも、慣らし運転は必要です。新車の感覚や各種機能に慣れていない内は、運転が散漫になってしまいます。最先端の運転支援なども、使用できなければ意味がありません。本来の性能を引き出す、自分を新車に慣らす、というどちらの意味でも重要な操作です。
最後に
今回は、慣らし運転の必要性について解説しました。
現在では多くのクルマで慣らし運転は不要とされていますが、クルマの寿命を延ばすためにも、少なくとも1,000km程度は急激な操作をせずに、丁寧に運転する必要があると考えられます。
愛車が寿命となるまで100%の性能を発揮できるように、クルマだけでなくドライバーも含めた思いやりのある慣らし運転をすることをおすすめします。
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