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軽エンジンF6A型・K6A型はどう違うの?

スズキが製造していた小排気量車専用エンジンF型とK型。

その中でも今でも大変人気のある【F6A・K6Aエンジン】。

両エンジンにはどのような違いがあるのでしょうか。お客様の声とともに解説をしていきたいと思います。

  • F6A型

    ここでは主にF6A型DOHCターボについてご紹介していきたいと思います。

    ※F6Aはその他に
    SOHC
    SOHC4バルブ
    SOHC・インタークーラーなしターボ
    SOHC・インタークーラー付きターボ 等があります。 

    1990年、軽自動車の規格見直しが行われ、全長が100mm延長、排気量が550ccから660ccに拡大された際
    マイナーチェンジ版として登場した3代目アルトワークスに搭載されていたのが、このF6A DOHCターボでした。 
    基本的には550ccの旧型F5Bエンジンのストロークアップバージョンで、外観的にはブローオフバルブの有無以外ほぼ同じです。 
    ボア径は65φでF5Bと同じですが、ストロークを11mm伸ばし、66mmのロングストローク化して排気量を規格変更に合わせた657ccにしました。 

     

    エンジン形式 F6A型 水冷直列3気筒縦置
    エンジン種類 TWINCAM12バルブインタークーラーターボ
    弁機構 DOHCベルト駆動
    内径×行程 65.0mm×66.0mm
    総排気量 657cc
    圧縮比 8.3
    燃料供給装置 EPI(電子制御燃料噴射)
    点火装置 フルトランジスター式
    最高出力 64ps/6,500rpm
    最大トルク 8.7kg-m/4,000rpm
    最大過給圧 0.9kg/c?
    エンジン単体重量 約80kg

     

    コンピューターはデンソー製8ビットCPUを搭載、ピストン・クランクシャフト・コンロッドは新設計でカムシャフトのプロフィールも変更され 圧縮比もF5系の8.0から8.3にアップされています。しかし、ブースト圧は同じ0.9kとなっています。タービンは IHI RHB31CWからRHB31 FWに変更されています。 

    エンジン特性は、ロングストローク化のため高回転型だったF5A DOHCターボに比べて高回転域の頭打ちが早くなってしまいましたが、 約1年後のマイナーチェンジでタービンのエキゾーストハウジングA/Rを7から、より高風量の9に変更。 コンピューターマネージメントも改良されフィーリングアップを図りました。 

    550cc F5A DOHCターボエンジン時代からの伝統ですが、モータースポーツでの使用を設計時点から考慮されているため 強度と耐久性が非常に高いエンジンとなっています。 F6A DOHCターボエンジンは耐久性の高い頑丈な鋳鉄製シリンダーブロックだったため、以前はアルミ製ブロックで軽量となった 後継のK6A ターボよりもハイパワーを狙えるエンジンと言われていました。(※現在はアルミブロックのK6Aターボも同等以上のパワーが出せます) 

    チューニングベースのエンジンとしてみるとノーマルの約3倍!!
    200馬力前後までのパワーアップも可能なF6Aエンジン。魅力ある素材だと言えるでしょう。

  • K6A型

    こちらも主にDOHCターボについてご紹介していきます。

    平成7年11月、アルトワークスのモデルチェンジに伴いこれまでのF型系エンジンとは異なる 全く新しい新設計のエンジンとしてK6A DOHCターボ(※旧規格用)が登場しました。

    オールアルミ製で軽量、68φのボア×60.3mmストロークで排気量は659cc。 ヘッドは直打式になり、シリンダーブロックもショートストローク化でコンパクトになり、エンジン重量は鋳鉄ブロックのF6Aより11kgも軽量化されています。 

     

    エンジン形式 K6A型 水冷直列3気筒縦置
    エンジン種類 DOHC12バルブ インタークーラーターボ
    弁機構 DOHCチェーン駆動
    内径×行程 68.0mm×60.3mm
    総排気量 658cc
    圧縮比 8.4
    燃料供給装置 EPI(電子制御燃料噴射)
    点火装置 フルトランジスター式
    最高出力 64ps/6,500rpm
    最大トルク 10.5kg-m/3,500rpm
    最大過給圧 1.1kg/c?
    エンジン単体重量 68kg

     

    クランクキャップはシリンダーブロックと一体化されて軽量化と高剛性が両立され、 タイミングベルトから高耐久でメンテナンスフリーのタイミングチェーン駆動へと変更されています。 エンジン制御用コンピューターは日立製16ビットマイコン搭載になり、処理能力が大幅に向上し230ccインジェクター 1~3気筒で独立して噴射するシーケンシャル方式に、点火時もノックセンサーでコントロールする上 ターボチャージャーの過給圧もコンピューター制御されています。 ターボチャージャーはこれまでのIHI製から日立製HT06(※後期はIHIもあり)に変更され、 その過給圧はノーマル車では当時の国産車では最高の1.1kがかけられていました。 

    平成10年10月、軽自動車規格が安全性向上のため大きく変更されました。 そこで登場したのが新規格用K6Aターボエンジンです。
    車体の大型化による重量増対策として圧縮比を8.6に上げ、点火系はダイレクトイグニッションになり、 前期型には電子スロットルとVVT(可変バルブタイミング)が搭載され、軽自動車エンジンとしては最高の トルク11.0kg/m 3500rpmを発揮しましたが、電子スロットルのレスポンスの悪さがデメリットになってしまい 新規格車後期では電子スロットルとVVTのどちらも廃止されました。

    K6A DOHCターボエンジンで、チューニングベースエンジンとして優れているのは
    新規格車用よりも古い旧規格車用K6Aターボエンジンの方だと言えます。

F6AとK6Aどちらがいいの?

・F6Aだとツインカムエンジンは名機だと思います。K6Aのアルミエンジンから比べると重いエンジンですが 、タフなのはF6Aかと・・
F6Aで耐久レースをしているのですが、信頼性はかなりいいです。一機のエンジンで2年はキッチリ使えました。 F6Aシングルカムも燃費が意外といいです。

・F6Aはトルクが厚い感じで、K6Aはフラットトルクで上まで回る感じ。でも、F6Aシングルカムとツインカムは 全然違っていてシングルカムは低速時がトルクがあっていいけどノーマルだと100km/h位で伸び悩んだり・・ しかし、載っている車体次第でセッティングが違うので一概には言えません。 シングルカムは街乗りが得意で、ツインカムは高速が得意。 K6Aは初期型は熱とオイル劣化に弱いです。が、最近のは大丈夫です。

・用途次第ですね。 ちなみにF6は種類が豊富で、ツインカムは弄る楽しみがあるが大ハズレのもあります・・

・ワークスなどのツインカムターボエンジンで言えばF6Aの方が弄りがいがあります。 強度的に強いので。しかし、普通のターボ無しの中古車を購入したり、距離を乗るのなら タイミングチェーンのK6Aの方がいいと思います。 使い方次第なので、どちらが良いとは言えません・・

※こちらはあくまでも個人の感想や意見になります。