ジムニーとジムニーシエラの違いについて
2018年7月、スズキのジムニーとジムニーシエラが20年ぶりのフルモデルチェンジを行い大きな話題となりました。
購入を検討している方の中にはどちらにしようか迷っている方も多いのではないでしょうか❔
同じ基本構造を持つ軽自動車のジムニーと普通自動車のジムニーシエラ
この両車の外観上の違いはバンパーデザインとオーバーフェンダー装着の有無ぐらいです。ボディは基本的に共通、室内空間も同じサイズで乗車定員も両車ともに4名となっています。
グレードに関して言えば、ジムニーがXG・XL・XCの3グレードなのに対し、シエラはJL・JCの2グレードになります。ジムニーのエントリーモデルXGを除けば中間グレードのXLとJL、最上級グレードのXCとJCはいずれも装備は共通となっています。
メカニズムに関しての一番の違いはエンジンです。ジムニーは専用にチューニングされた660ccのR06A型3気筒ターボエンジン、シエラには新開発の1.5L直4NAエンジンが搭載されています。
どちらのエンジンも低速域ではトルクフルで粘りのある特性を発揮しますが、高速道路や郊外の道路を長距離で走る機会が多い場合にはシエラの方が余裕のある走りとなります。
車両本体価格と新車購入時のコスト
車両本体価格はジムニーのエントリーモデルXG(5MT)が145万8000円、シエラのJL(5MT)は176万400円と価格差は30万2400円。最上級グレードではジムニーXC(4AT)で184万1400円、シエラJC(4AT)の場合は201万9600円となり、その差は17万8200円となります。
売れ筋と言われる最上級グレードの場合、ジムニーでは車両代のほかに自動車取得税3万600円(オプションにより変動あり)、自動車重量税9,900円(3年)、自賠責保険料3万5610円(37ヶ月)、リサイクル料金8,650円、その他に登録諸費用が5万円ほどかかり合計で13万5000円ほどになります。
一方のシエラは、自動車取得税5万400円(オプションにより変動あり)、自動車重量税3万6900円(3年)、自賠責保険料3万6780円(37ヶ月)、リサイクル料金8,940円、その他に登録諸費用5万円ほどで合計18万8000円となります。
新車時のコストで比較するとその差は5万円ほどとなります。
自動車税や車検取得時のコスト
自動車税は毎年4月1日時点での車検証上の所有者に対してかかる税金で、用途・総排気量によって税額が変わってきます。ジムニーの場合は軽自動車なので1年間で1万800円、普通自動車のシエラは1.0L~1.5L区分で3万4500円です。
また、自動車重量税は新車購入時と車検取得時に車検有効期間分を。
自賠責保険料は車検の有効期限プラス1ヶ月分を納めます。
ちなみに、国が定める排ガス基準や燃費基準を満たしていれば自動車取得税や自動車重量税が減免となる「エコカー減税」という制度がありますが、残念ながらジムニー、シエラともにこの制度の対象とはなりません。
最初の車検の取得費用に関してはディーラー、整備工場、車検を取り扱うショップなどによっても整備料や手数料が異なりますが、法定費用・車検取得費用を含めた金額で比較するとジムニーが約4万5000円~、シエラは6万円~が相場のようです。
任意保険
任意保険は自賠責とは異なり、会社や条件などによって料金にかなり幅があることから今回は以下のモデルケースを設定し、ネット型自動車保険を利用することとしてシュミレーションしています。
・年齢20歳以上
・免許証はゴールド
・年間走行距離6,000km
・運転者限定なし
・対人対物5,000万円
・運転者制限なし
・車両保険あり(一般)
シュミレーションの結果ですが、ジムニーは年間11万2000円、シエラは11万2120円とほぼ同じような結果となりました。
ただし、保険会社ではセカンドカー保険を用意しているところもあり、これはセカンドカーの場合に割安な保険料金を適用するもので、セカンドカーとして購入されることが少なくない軽自動車ジムニーにとってはアドバンテージとなるでしょう。
任意保険については軽自動車と普通自動車の差というよりも、実際の車の使用状況を考慮して条件や特約を厳選し、ネットなどを活用することで保険料を抑えることも可能です。
ジムニーとシエラの燃費
ジムニー(AT)のカタログ燃費は13.2km/L
シエラ(AT)は13.6km/L
両車の燃費性能はほとんどかわりません。
例えば年間走行距離が10,000km、レギュラーガソリンの単価を1Lあたり140円として計算するとガソリン代はジムニーが年間10万6060円、シエラは10万2941円となります。
もちろん走るフィールドが悪路中心と舗装路のロングドライブメインでは燃費もかわってきますから、エンジンの特性を見極めたうえで検討する必要があります。
高速料金
燃費の差はほとんどありませんでしたが、意外に差が付くのが高速道路や有料道路の料金です。軽自動車は普通自動車に比べて2割ほど安い料金設定になっています。
月に数回、高速道路を利用して近郊のキャンプ場などに遊びに行くという方も少なくないでしょう。ジムニーとシエラで高速料金を比較するとどれほどの差がでるのでしょうか・・・
休日に新宿から首都高と中央道を使ってキャンプ場などが多い小淵沢(総走行距離172km)まで行くと想定して試算してみましょう。なお、いずれも料金にはETC割引が適用されています。
ジムニー:2,730円 (新宿-八王子360円、八王子-小淵沢2,370円)
シエラ:3,320円 (新宿-八王子410円、八王子-小淵沢2,910円)
料金差は片道で590円なので往復だと1,180円。
毎週末出掛けるとなると1ヶ月で4,720円、1年で56,640円もジムニーの方が安く利用できます。さらに、通勤などで日常的に高速道路を利用する機会があればさらに差は大きくなりますね。
なお、軽自動車の方が割安な料金設定となっているのはNEXCO西日本によれば、軽自動車は車体が小さく重量も軽量で、道路や周辺環境への負担が少ないことが理由として挙げられています。
両車の維持費を比較すると、シエラは自動車税と自動車重量税の負担が大きくその差は年間で3万2700円になります。 ジムニーの維持費が安いのは主に税制面での優遇措置によるものですが、逆にジムニーとシエラにおいて税金以外の面ではあまり差がないと言えます。 この差をどうとらえるかで判断基準が変わってくると思います。
より狭い道でも入っていけるナローボディのジムニー、ワイドトレッドと余裕のあるエンジンでクルージングもこなすシエラ。デザインやエンジンの好みも考慮しながら購入時の参考にしてみて下さい。
|