4代目ジムニーの“四角さ”のその理由

2020/03/09 ジムニーブログ
新型ジムニー 4代目 シエラ

硬派な内外装でヘビーユーザーに応えた

 

2018年7月5日に発売されたスズキのジムニー/シエラのデザインがとても好評です。20年ぶりのフルモデルチェンジで一新した外観は直線基調の四角い見た目で、発表会場を訪れた報道関係者だけでなくインターネットの書き込みなどでも好意的なコメントがたくさん見受けられます。

発売から1年半以上が経過した現在でも、1年近い納車待ちというのですからその人気の高さは驚くべきものです。

この人気の高さにはやはり、その四角い外観も要因となっていることがうかがえます。

スズキ ジムニー 4代目

----------四角いボディが好評

 

なぜ、新型ジムニーのデザインはここまで好感度が高いのでしょうか。それは、他の多くのクルマがおしなべて丸くなったことが大きく関係しているようです。これはセダンやハッチバックなど、現在の乗用全般に見られる流れで、空力特性や歩行者保護などに関係していますがSUVは別の理由でその傾向が強いといいます。

 

ジムニーのようなスクエアなボディを持つSUVとしては、ほかにトヨタのランドクルーザーやベンツのGクラス、ジープやランドローバーなどがあります。共通しているのはオフロード走行を重視したヘビーデューティSUVであることと、長い伝統です。時間をかけて機能が磨き上げてきたカタチなのです。

 

一方で、最近になってSUVを作り始めたブランドはこうした伝統がないうえにオフロード走行はそこまで重視していません。どちらかというと、街乗りでもオシャレに活用できるといったコンセプトなのです。

さらには、セダンやクーペのデザインを背の高い車体に盛り込むという手法が用いられているのでなおさらです。

つまり、四角いボディは伝統的なヘビーデューティSUVだけが着こなせる特権なのです。多くのユーザーがそのことに気付き、新型ジムニーのスタイリングを評価しているのだと考えられます。

 

もうひとつ、多くの人が長い間木造住宅で暮らしてきた日本人は、欧米人よりも水平や垂直のデザインに親しみを持つ人が多いという特徴もあります。箱形の軽自動車やミニバンが受け入れられるのもこうした文化的な側面が関係しているのかもしれません。

スズキ ハスラー 軽自動車

----------他車の登場で役割分担も

 

スズキではジムニーのほかにも「ハスラー」や「スペーシアギア」などが出てきたことによってSUVのラインナップが増え、その中で役割分担ができるようになったのです。

ですので、ジムニーのデザインも2代目のような機能重視に戻すことができたといいます。

 

 

 

----------ヘビーデューティSUVが新鮮にみえる

 

新型ジムニーの発表会場には歴代のジムニーも展示してありました。その展示車両を見てみても、新型が3代目より2代目に近いことが一目瞭然でした。逆に3代目は角を丸めたフォルム、ボディ同色バンパーなどによって乗用車に近づけた装いだったのです。

 

3代目ジムニーが登場したのは、今から20年以上も前の1998年です。前年にはトヨタ「ハリアー」やスバル「フォレスター」が登場していて、舗装路重視の乗用車的なSUVが流行る兆しがありました。ジムニーもこれに乗り遅れまいと、このようなデザインになったのだと推測できます。

しかし、それから20年以上が経過し前述の兆しは現実になり、さまざまなブランドが乗用車的なSUVを送り出しました。そんな中で、ジムニーのような異端児が新鮮に見えるのかもしれません。

 

 

 

----------新型ジムニーは単なる四角四面ではない

 

とはいっても、新型ジムニーのスタイリングは単なる四角四面ではないのです。フロントグリル両脇のウインカーは初代を、エンジンフード脇のルーバー風プレスは2代目を思わせます。

ハスラーなどにもみられる、過去の名車のエッセンスを取り入れたスズキらしさの表現なのです。

さらに、フロントグリルや前後バンパーの下端を斜めにカットした造形が無味乾燥となりがちな箱形ボディに動きを与えているのです。それに加えグリルの形は初代に似ている、バンパーは悪路で地面への接触を回避するという機能的な効果もあるのです。まさに考えて考え抜かれたカタチなのです。

----------インテリアもまた先祖返り

 

インテリアもまた先祖返りしています。先代のインパネが柔らかなラインを基調とし、大きなセンターパネルが据えられた乗用車的なテイストだったのに対し、新型はシンプルな横長のインパネに四角いメーターやディスプレイを置いた、2代目を思わせる造形になっているのです。

エアコンのコントローラーはダイヤル、その下のスイッチはピアノタイプと確実な操作性も用いている点に好感を抱く人も多いといいます。揺れの激しいオフロードではタッチ式パネルでは扱いにくいのです。

 

さらに驚くべきは、先代の途中でボタン操作に変更した2WDと4WDの切り替えにレバー方式が再採用されていたことです。

最近のSUVは砂利や泥道などの路面状況に合わせた走行モードを選べば電子制御で最適な駆動力を発揮してくれる方式が主流となりつつあります。しかしジムニーのヘビーユーザーはオフロードに精通した人が多く、ドライバー自らが路面を読み最適なメカニズムを選択することで走破していくというテクニックを身に付けている人も少なくありません。

こうしたヘビーユーザーには電気式のボタンやダイヤルより、より確実に操作出来て耐久性の高い機械式のレバーが適していると考えたのでしょう。ハスラーやスペーシアギアなどが加わったスズキでSUVの役割分担ができた結果の一つと言えるかもしれません。

 

 

----------四角いクルマのルーツとは

 

そもそもなぜ、四角いクルマが多かったのか・・

それはずばり「第二次世界大戦」にまでさかのぼります。ドイツの自動車部隊が占領地を(当時では)信じられないほどの速さで走行していたのにびっくりした連合軍が「あれ欲しい!!」と言って自国に作らせたのだとか。

米国Jeep社のMBなどが有名です。ではなぜジープなどは四角いのか

 

1.生産性がいいから (ぶった切り溶接するとか、現地改修・補修も楽)

 

2.たくさん止めるときに楽 (上陸作戦や船に積む時に効率がいい)

 

という軍事的な理由が大きいようです。さらに言うと、四角いボディは運転がとてもしやすいのです。車両感覚も掴みやすく、ボディラインを白線に合わせれば駐車も楽々です。

そんな理由から、徴兵間もない兵隊さんたちにも楽々運転できた。という二次的な効果もあったようです。

 

 

 

----------進化した“カクバリズム”

 

新型ジムニーをはじめ、昨今じわじわと人気が高まりつつある四角いクルマたち。レトロ世代の四角さをただ再現しただけではない、そこには私たちを魅了する新しい“カクバリズム”があるのです。むしろ新しさを感じさせる新型ジムニーの存在はその証ともいえるでしょう。

いえ、最早カッコイイクルマにそんな理屈はいらないのかもしれません。

あなたもシカクカッコイイ新型ジムニーとアウトドアを満喫してみませんか?