New Model

新型ジムニー登場

スズキは軽四輪駆動車ジムニーおよびジムニーシエラを2018年7月におよそ20年ぶりに全面改良しました。

半世紀におよぶジムニーならではのこだわりと技術を継承しつつ

ジムニーに求められる本格的な四輪駆動車としての性能をさらに進化させています。

一目でジムニーであると気付けるデザインとシルエットが最大の魅力であり

特に新型は先代の丸みを帯びたデザインとは異なり

2代目や初代のようにフラットなパネルを使った四角いシルエットとなっています。

受け継いだDNA 進化したメカニズム

ラダーフレーム

 

 

様々な環境にも耐えうるジムニー伝統のラダーフレーム構造は本格4WDの証です。

 

頑強な構造をさらに進化させました。Xメンバーと前後にクロスメンバーを加えたことでねじり剛性を先代モデル比で約1.5倍向上させています。

また、車体とラダーフレームをつなぐボディマウントゴムを新設計し乗り心地の改善と優れた操縦安定性を実現しています。

FRレイアウト

 

 

エンジンをフロントタイヤ前端より後方に縦配置したFRレイアウト

 

険しい凹凸を越えていくために必要なアプローチアングルを確保する、本格4WDの原点です。

 

新型ジムニーではこのアプローチアングルを47°と充分な角度の確保が可能となっています。

 

機械式副変速機

 

 

路面状況に応じて2WD⇔4WDを切り替えることができる機械式の副変速機。

 

トランスファーレバーのダイレクトな操作感が走りに向かうドライバーの気持ちを高めます。

 

さらに4WDは4H(高速)・4L(低速)のモードに切替が可能となっており、4Lは通常の約2倍の駆動力を発揮し急な登坂路や悪路の走破性を高めています。

パートタイム4WD

 

高い脱出性能を実現するだけではなく、シンプルな構造によって高い信頼性が確保されています。

 

過酷な環境で走るからこそ、ジムニーはパートタイム4WDを採用し続けてきました。

 

オンロードなどでは後輪駆動の2WD、オフロードや雪道ではレバー操作で4WDに切り替えが可能となっています。

 

4WDには通常の2倍に駆動力を増幅するローギヤの「4L」が設定され、急な登坂路や悪路での高い走行性能が実現されています。

 

3リンクリジットアクスル式サスペンション

 

 

求められるのは、過酷な環境でも走破できるサスペンション性能。基本構造を継承し、鍛え上げてきた3リンクリジットアクスル式サスペンションがジムニーならではの高い悪路走破性を実現しています。

 

各部品を最適化したことにより、乗り心地を向上。荒れた路面やぬかるみを走破するために、エンジントルクを落とすことなく空転した車輪にだけブレーキを作動させ、他方の車輪に駆動力を伝える「ブレーキLSDトラクションコントロール」が標準装備されています。

 

また、坂道での運転をサポートする「ヒルホールドコントロール」「ヒルディセントコントロール」も標準装備となっています。

 

R06A型ターボエンジン

 

 

新型ジムニー専用にチューニングされた、ハイブリットを搭載しないガソリンターボエンジンR06A。

 

低回転からの力強いトルクと信頼性を追及し、ジムニーの優れたオフロード性能をさらなる次元へと押し上げます。

 

 

 

 

エンジン型式 直列3気筒DOHCターボ
排気量 658cc
ボア×ストローク 64.0mm×68.2mm
圧縮比 9.1
最高出力 64ps(47W)/6000rpm
最大トルク 96Nm/3500rpm

 

新型ジムニーの燃費性能

スズキの公式発表であるカタログ燃費をチェックしてみると、WLTCモードの燃費でMT車が16.2km/L、AT車で13.2km/Lとなっています。

先代ジムニーと大差はないように感じられますが、これには理由があります。燃費の計測方法が2018年10月より変更になり、従来の「JC08モード燃費」から国連で定められた国際基準「WLTCモード燃費」で計測された燃費が表示されるようになったのです。

理想的な状態で計測される「JC08モード燃費」と異なり「WLTCモード燃費」は多角的な状況を想定し、実際の使用に近い燃費数値になるようにしています。そのため同じ車種でもWLTCの場合JC08より2割ほどダウンすると言われています。ですから、2割ダウン分を差し引けば先代モデルよりも燃費はよくなっていると言えるでしょう。

Interior

インテリア

 

オフロードならではの過酷な環境下での運転のしやすさや各部の操作性にこだわった機能性を重視したデザインとなっています。

車両の姿勢、状況を把握しやすい水平基調で力強い基本骨格のインストルメントパネルやドアミラー付近の視界を拡大する形状のベルトラインを採用。

前席のヒップポイントを30mm後方に下げ、前後乗員間距離を40mm拡大し居住性がアップしています。

さらに予防安全技術「スズキセーフティサポート」が搭載され、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」をはじめ

「誤発進抑制機能」「車線逸脱警報機能」「ふらつき警報機能」「ハイビームアシスト」「先行車発進お知らせ機能」

さらには、標識をメーター内に表示させドライバーに通知する「標識認識機能」まで搭載されています。

(XCのみ標準装備、XL・XGはオプション)

Luggage space

荷室空間

 

先代ジムニーと比べると新型ジムニーのラゲッジスペースは使い勝手が良くなっています。

まず開口部を見てみると、トールワゴンには劣りますがボディ剛性を保持しながら最大限のサイズが確保され、

荷室開口幅は上1,300mm下1,015mmとなっています。

開口高は850mm、大きなダンボールでもそのまま積み込むことができますね。

荷室のサイズは高さが開口部と同じ850mmで幅は1,300mmあります。

床面長は4名乗車時で240mm、リアシートを倒すと980mmとなります。

リアシートを倒した時の荷室容量は352Lとこのサイズでは十分な広さがあります。

助手席のヘッドレストを抜いて倒せば、長尺物を席さすることも可能です。

先代ジムニーではタイヤハウスが室内に張り出していましたが、新型ではそれをなくすことで収納力がアップしています。

ゴルフバッグを横にしたままでスムーズに入れられますし、箱物も効率よく積めるようになりました。

また、リアシートを倒した時に座面を外さなくても完全なフラットになるのも新型の長所です。

先代ではセカンドシートの座面を外さないと床面が少し斜めになっていました。

それが改善され大きな荷物をスッと奥まで入れられるようになったのは使い勝手の面では大きな改善点です。

荷室後部の床面にはラゲッジボックスが付いています(XGを除く)。

樹脂製で防水となっているのでアウトドアで濡れたり汚れたりしたものでも気兼ねなく積み込めますね。

ボックスは取り外しが可能なので、汚れたら水で丸洗いできるのも便利です。

また、ボックスを外すことで荷室後部の天高が若干高くなります。

ボックスを外した床の下はツールボックスが設けられています。

ここにはタイヤレンチとパンタグラフ式のジャッキが収納されていますが、

ドライバーなどの工具は付属していません。

緊急時に必要なものを自分で用意して収納しておくと安心でしょう。

バッテリーのジャンプコードや牽引クッションロープも積んでおくと冬場などに重宝します。

Grade

グレードについて

ジムニーは全てのグレードにオフローダーとしてのメカニズムを搭載しているため

ベーシックなグレードを選択してもオフロードでの走行性能に違いはありません。

ジムニーのグレードにはAT車、MT車ともに価格の安い順に【XG】【XL】【XC】

という3グレードに分かれておりいずれもターボ搭載の4WDです。

スズキ独自の予防安全技術である「スズキセーフティサポート」は最上位グレードの【XC】のみ標準装備となっていますが

エントリーモデルの【XG】と中間グレードの【XL】にもオプションで搭載することが可能です。

そのため、主な違いは乗り心地や満足度に関わるカラーリングなどのエクステリアとインテリア、および快適性能を高める機能となります。

 

グレードアップするとどのような違いがあるのでしょう・・・

『XGとXLの違い』

coloring

カラーリング

XGでは車体色の選択肢は4種類のみとなっており、深いグリーン系のジャングルグリーン、黒系のブルーイッシュブラックパール、グレー系のシルキーシルバーメタリック、ホワイト系のスペリアホワイトというラインナップになっています。

一方XLでは車体色は8種類に広がり、広告でもみかけるキネティックイエローやブリスクブルーメタリック、シフォンアイボリーメタリックなどのオリジナリティあるカラーが追加されています

Equipment

安全装備・快適装備

ジムニーでは車の購入時に標準装備であることが一般的な電動格納式リモコンドアミラーやオートエアコン、キーレスプッシュスタートシステムなど快適性に関わる装備は中間グレードのXLから搭載されています。また、後部座席のシートベルト警告もXLからの機能なのでファミリーで利用したいという場合にはXL、XCグレードがオススメです。

シートの機能もグレードごとに大きく異なり、XLからリアシートが5:5分割可倒式になります。リアシートの背もたれが半分に分割されることで、片方の背もたれだけを前に倒すことができ、収納力と座席数のどちらも諦めずに車を利用できます。

一方でXGでは、リアシートが左右一体となっているため他のグレードと比べてシートレイアウトが少なくなっています。また、XLでは運転席と助手席に冬でも快適にドライブを楽しめるシートヒーターや飲み物をこぼしてもお手入れが簡単な撥水ファブリックシートが採用されています。その他にもヒーテッドドアミラーなど、あると便利な機能の多くがXLからの標準装備となっています。

『XLとXCの違い』

Coloring

カラーリング

 

 

最上位グレードのXCでは、XCの8種類から12種類にカラーリングが拡大されています。オプションではルーフの色を黒にして2トーンカラーにすることも可能です。

2トーンカラーはキネティックイエロー、シフォンアイボリー、ブリスクブルーメタリックの3種類のみ選択が可能となっています。

 

Interior&Exterior

インテリア&エクステリア

XCは最上位グレードらしくインテリアをはじめとして細かな装備が充実しています。ステアリングがウレタンから本革となり、オーディオスイッチも追加されています。また、XLまでは装飾性のないスチールホイールでしたが、XCではラグジュアリーなアルミホイールとなり高級感がアップしています。

このほか、ヘッドライトがハロゲンライトからLEDヘッドライトに変更されています。しかし、ハロゲンライトには雪の中を走行する際に雪を溶かしてくれるというメリットがあります。その点をカバーするためにXCではヘッドライトウォッシャーが追加され、雪でライトが隠れてしまうリスクにもしっかりと対応できます。

Safety Equipment

安全装備

安全運転支援システム「スズキ セーフティ サポート」は、最上級グレードXCには標準装備されますが、XLとXGはメーカーオプションです。

スズキ セーフティ サポートを構成する機能は、以下にあげる7種類です。

 

・単眼カメラとレーザーレーダーで前方の車両や歩行者を検知し、自動ブレーキにより衝突被害軽減をサポートする

デュアルセンサーブレーキサポート

 

・停車または徐行中に前方に障害物を検出すると、エンジン出力抑制やブザー音などにより衝突被害軽減をサポートする「誤発進抑制機能」(※AT車のみ)

 

・単眼カメラで道路標識を認識し、メーター内の表示などでお知らせする「標識認識機能

 

・約60~100km/hで走行中に車線をはみ出すと、ブザー音とメーター内の表示により注意を促す「車線逸脱警報機能

 

・約60~100km/hで走行中に車両が蛇行すると、ブザー音とメーター内の表示により注意を促す「車線逸脱警報機能

 

・先行車の発進に気づかず停車し続けると、ブザー音とメーター内の表示によりお知らせする「先行者発進お知らせ機能

 

・約30km/h以上で走行中に、周囲の環境に応じてヘッドランプのハイ/ロービームを自動で切り替える「ハイビームアシスト

 

 

更にこのオプションを選択すると、周囲の明るさに応じてヘッドランプを自動で点灯・消灯させる「オートライトシステム」と、イグニッションオフと同時に灯火類を自動で消灯させる「ライト自動消灯システム」も付きます。

 

また、ヒルホールドコントロールとヒルディセントコントロールが全車に標準装備されていますので坂道などの運転も快適にサポートしてくれます。

 

これまでに紹介した3つのグレードの違いはとてもシンプルです。XGは快適性や利便性を省いた分、価格を抑えることができるモデル。

XLは車にあるべき装備が一通り揃ったモデル。そしてXCは乗り心地やインテリアにもこだわりたい方のための上位モデルと言えます。

本来グレードは自分の理想のカーライフに必要な装備を考えて選ぶものです。しかし、ジムニーのエントリーモデルであるXGは

ジムニーを楽しむための基本装備は揃っているもののセルフ調整のエアコンや手動式のドアミラーなどアナログな機能が目立ちます。

これは、本格的なオフロード走行を前提としている方のための仕様で、ドアミラーを破損した際の交換コストなど

故障時のトラブルを考えてシンプルなグレードを用意したとも考えられます。

一方、最上位グレードのXCは基本的に所有者の満足度を高めるためのこだわりが詰まったグレードです。

カッコよさや乗り心地などを求める場合には満足度の高いグレードですが、機能面ではXLと大きな差はないため、

実用性とコストパフォーマンスを考えると個人的には中間グレードであるXLがオススメと言えるかもしれません。